創業100年を超える老舗のどらやき

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創業100年を超える老舗のどらやき

歯切れのよい皮となめらかな粒あんのコンビネーション

東京・上野にある「うさぎや」は、1913年(大正2年)創業。100年以上の歴史がある老舗の和菓子店で、芥川龍之介や永井荷風など、数多くの文化人に愛された店としても知られています。店名は、創業者である谷口喜作が卯年の生まれだったことからつけられました。当初は、ようかん、最中、せんべいなどが主流だったそうですが、昭和の初め頃から売り出した「どらやき」が評判になり、いまではすっかり「どらやき」の名店としてその名を知られるようになりました。この店の「どらやき」は、皮の表面がサクッとした食感なのが特徴です。皮にはレンゲの蜂蜜を加え、上下から加熱することで、縦に均一に気泡が入り、絶妙の歯ごたえに仕上がるのだとか。なめらかな粒あんには、北海道・十勝産の小豆を使用。丹念に粒をより分け、こまめに火加減を調節して煮たあと、味を落ち着かせるために2日間寝かせています。そして、生地にあんをはさむ最後の仕上げは職人たちによる手作業です。消費期限は2日間ですが、あんの水分が皮に移りやすいため、その日のうちに食べるのがよいでしょう。できたてが最もおいしいので、私は、友人宅にお呼ばれしたときなどに、上野に寄ってこの「どらやき」を買い求め、手みやげにしていました。親しい友人たちと、口福を分け合えるのは幸せなひとときです。なお、この「どらやき」のように、日持ちしないもの、その場で食べたほうがいいものを持参するときは、事前に、「評判のどらやきを持っていきますから、みなさんで一緒に食べましょう」などと伝えておいたほうが親切です。何も言わないと、招く側もお茶菓子を用意してしまうもの。そうした細やかな気配りも忘れずに。

※掲載情報は 2014/11/27 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岸朝子

食生活ジャーナリスト

岸朝子

大正12年、関東大震災の年に東京で生まれ、女子栄養学園(現:女子栄養大学)を卒業後、結婚を経て主婦の友社に入社して料理記者歴をスタート。その後、女子栄養大学出版部に移って『栄養と料理』の編集長を10年間務める。昭和54年、編集プロダクション(株)エディターズを設立し、料理・栄養に関する雑誌や書籍を多数企画、編集する。一方では、東京国税局より東京地方酒類審議会委員、国土庁より食アメニティコンテスト審議員などを委託される。
平成5年、フジTV系『料理の鉄人』に審査員として出演し、的確な批評と「おいしゅうございます」の言葉が評判になる。
また、(財)日本食文化財団より、わが国の食文化進展に寄与したとして食生活文化金賞、沖縄県大宜味村より、日本の食文化の進展に貢献したとして文化功労賞、オーストリア政府より、オーストリアワインに関係した行動を認められてバッカス賞、フランス政府より、フランスの食文化普及に努めた功績を認められて農事功労賞シュバリエをそれぞれ受賞。
著書は『東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)、『おいしいお取り寄せ』(文化出版局)他多数。

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