あんドーナッツ
うさぎや
山梨の奥さんの実家に行くと、時々、近所の人にいただいたと「あんドーナッツ」が出てきます。いつも美味しいと思い、なんとなく食べていました。ドーナッツにしては、少し固めに引き締まった弾力性があり、いわゆるフワフワしたドーナッツとも違います。「あんドーナッツ」と言われて出されて食べていましたが、でも「普通のあんドーナッツ」とも何かが違うのです。
そう考えると、そもそも「普通のあんドーナッツ」ってなんでしょうか?「あんドーナッツ」って不思議な食べ物です。いったい何屋さんが作る食べ物なのでしょうか? パン屋さんだと「アンパン」もあるくらいなので、「あんドーナッツ」を作るのもおかしくはないです。
ドーナッツ屋さんが、ドーナッツのバリエーションとして「あんドーナッツ」を作るのも当然です。洋菓子屋さんにしてみれば、洋風なお菓子の延長とも言えます。では、和菓子屋さんは、どうでしょうか?
「あんドーナッツ」の「あん」は、「あんこ」です。和菓子屋さんが「あんドーナッツ」を作るのは、カレー屋さんが「カレーパン」を作るのと同じような感覚なのでしょうか?
実は、この「あんドーナッツ」は、山梨県の韮崎市にある「うさぎや」という和菓子屋さんが作った「あんドーナッツ」なのです。ここの名物は、「大福」です。山梨県内でも、韮崎の「うさぎや」と言えば、「大福」と言う口を揃えて言うくらい地元では有名な「大福のお店」なのです。その「大福のお店」が作った美味しい「あんこ」が中に入っているのです。「大福」で有名な和菓子屋さんが作っているからこそ、ここの「あんドーナッツ」が、美味しいのだと納得が出来ます。
僕が食べていつも不思議な感じがしたのは、ドーナッツの中に「大福の中身」が入っている感じがしたのです。そこの「あんドーナッツ」を食べると、上品な和菓子を食べている感じがするのです。おしゃれスイーツとは呼べない、たかが「あんドーナッツ」だろうと高をくくってはいけません。「あんドーナッツ」にも奥深さがあるのです。山梨の韮崎に行かれた時は、「大福」も美味しいですが、「あんドーナッツ」も買ってみてください。
うさぎや
※掲載情報は 2015/02/25 時点のものとなります。
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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