果物を超える?「デラックス」なフルーツゼリー

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果物を超える?「デラックス」なフルーツゼリー

フレッシュでジューシーな味わいはフルーツ専門店ならでは

果物を超える?「デラックス」なフルーツゼリー

老舗の洋品店や宝飾店、世界の有名ブランドショップなどが立ち並び、世界でも有数の高級商店街と言われる銀座は、私の青春時代もやはり、おしゃれで華やかな街でした。女学校の友人たちと、ちょっと背筋を伸ばして、1丁目から8丁目までまず東側を歩き、折り返して1丁目までを今度は西側を歩いて、「銀ブラ」を楽しんだものです。もちろん女学生の身ですから、映画を観てあんみつを食べるくらいの、全部で50銭にもならないささやかな楽しみでした。そのころから今にいたるまで、変わらず銀座5丁目にある「銀座千疋屋」は、1894年(明治27年)に誕生。フルーツ専門店として、日本の食卓に、果物をデザートとして定着させる一翼を担ってきました。余談ですが、私も、32歳で料理記者になってからは「千疋屋の品物なら間違いない」と、撮影用の果物の調達にずいぶんと重宝したものです。1913年(大正2年)には、日本で最初のフルーツパーラーをオープン。店内には色とりどりの果物が並び、甘くさわやかな香りで満ち、初めて見る珍しい輸入果物に心躍らせたものです。もっとも、女学生のおこづかいで行くには敷居が高く、食通だった父に連れて行ってもらったのが、私の千疋屋フルーツパーラーの初体験でした。 ちなみに、「フルーツパーラー」は銀座千疋屋の2代目社長、齋藤義政さんの造語とのことです。店内に並ぶ数々のフルーツデザートの中でもとくに目を引くのが、「デラックスゼリー」。中身をくりぬいたグレープフルーツやオレンジの皮を器に用いた、目にも涼しげなゼリーです。同じく皮で作ったふたをはずすと、口元まで詰められたゼリーがプルンと顔を出し、一口すくって口に運べば、甘酸っぱい、たっぷりの果汁が溶け出して、さわやかさに体中が満たされます。夏はもちろんのこと、暖房の効いた冬の部屋で冷やしたデラックスゼリーをいただくのが、私の密かな楽しみです。

果物を超える?「デラックス」なフルーツゼリー

※掲載情報は 2015/02/25 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岸朝子

食生活ジャーナリスト

岸朝子

大正12年、関東大震災の年に東京で生まれ、女子栄養学園(現:女子栄養大学)を卒業後、結婚を経て主婦の友社に入社して料理記者歴をスタート。その後、女子栄養大学出版部に移って『栄養と料理』の編集長を10年間務める。昭和54年、編集プロダクション(株)エディターズを設立し、料理・栄養に関する雑誌や書籍を多数企画、編集する。一方では、東京国税局より東京地方酒類審議会委員、国土庁より食アメニティコンテスト審議員などを委託される。
平成5年、フジTV系『料理の鉄人』に審査員として出演し、的確な批評と「おいしゅうございます」の言葉が評判になる。
また、(財)日本食文化財団より、わが国の食文化進展に寄与したとして食生活文化金賞、沖縄県大宜味村より、日本の食文化の進展に貢献したとして文化功労賞、オーストリア政府より、オーストリアワインに関係した行動を認められてバッカス賞、フランス政府より、フランスの食文化普及に努めた功績を認められて農事功労賞シュバリエをそれぞれ受賞。
著書は『東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)、『おいしいお取り寄せ』(文化出版局)他多数。

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