自宅で本格的な感謝祭、クリスマスの七面鳥の丸焼き

自宅で本格的な感謝祭、クリスマスの七面鳥の丸焼き

記事詳細


紹介している商品


高たんぱく、低脂肪で栄養価も高い肉、七面鳥

自宅で本格的な感謝祭、クリスマスの七面鳥の丸焼き

早いもので、クリスマス・ソングが流れるシーズンになりました。クリスマスの食べ物といえば、日本ではチキンで代用されることが多いですが、欧米では七面鳥(ターキー)が主流。今年は、見た目もゴージャスで、しかも高たんぱく、低脂肪で栄養価も高い七面鳥の丸焼き作りに挑戦してみませんか? アメリカ大陸が原産地の七面鳥は、晩秋から冬が旬で、アメリカでは、クリスマスだけでなく11月の第4木曜日(カナダでは10月の第2月曜日)の【感謝祭(サンクスギビングデー)】の食卓に欠かせないごちそうでもあります。感謝祭は別名「七面鳥の日=Turkey Day」とも呼ばれ、もともとは、新大陸に入植した最初の年に寒さと飢えに苦しんだ清教徒たちが、彼らに同情してトウモロコシやかぼちゃとともに、七面鳥を食料として与えたネイティブ・アメリカンに助けられた故事に由来するもの。清教徒たちは、翌年、無事に収穫ができたことを神に感謝するとともに、命の恩人たちを招いて、一緒に食卓を囲んだといわれ、それが今に続くお祝いの日につながっています。 感謝祭は本来、宗教的な目的が強かったようですが、現在では宗教色が薄まって「親戚や友人が集って食卓を囲む日」という意味合いが強くなっています。ヨーロッパには感謝祭の祝日はありませんが、七面鳥がイギリスに輸入され、チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』の中に登場して以来、クリスマスに七面鳥を食べることが広まり、その習わしがアメリカに逆輸入された経緯があるようです。アメリカでは、感謝祭の祝日が終わった後に、本格的なクリスマスの準備に入ります。 というわけで、私も数年前から、慌ただしくなる師走前の11月下旬に、収穫と1年間お世話になった方々への感謝の気持ちを込めて、自宅へお招きして七面鳥の丸焼きを振る舞うようになりました。

まるごとの七面鳥はアメリカなどからの輸入品が多く、コチコチに冷凍してあって慣れないと調理にドギマギしてしまうかもしれませんが、パーティーの1週間前くらいに購入して冷蔵庫の中でゆっくり解凍すること以外、焼き方自体はチキンの丸焼きと一緒です。アメリカの古典的なレシピは、野生の七面鳥を使い、とうもろこしパンを詰めて、炒った栗と、オレンジで風味をつけたクランベリーのシロップ煮を添えるというもの。マッシュポテトや、アップルパイ、かぼちゃパイ、バニラ・アイスクリームなどが一緒に食卓に並べば完璧です。 七面鳥の詰め物には、日本人の口にはごはんの方が合うかもしれません。一度、日本の山菜おこわを詰めてみたことがあったのですが、おかげさまでゲストにも好評でした。七面鳥の肉は淡泊で他の食材と合わせやすいので、パン、ごはんのほか、栗やさつまいもなどお好みの詰め物を使ってみてください。 また、七面鳥の肉はチキンよりもぱさぱさ感があって嫌われることがあるようですが、調理前に一晩、肉を塩水に漬けて、また調理中にときどきオーブンから取り出してバター(油)をよく塗ると、ジューシーに焼き上がります。 さて、まるごとの七面鳥はいくつかのメーカーがアメリカやフランスから輸入・販売されていますが、ここは、原産地アメリカの七面鳥をぜひ。ミートガイさんが輸入されている、カリフォルニア州にある【Zacky Farm】の七面鳥は、自然に近い平飼いで育った、ホルモン剤や抗生物質などが無添加の商品で、安心です。七面鳥の大きさは、日本の家庭用オーブンにも入る、ヤングターキーやベビーターキーと呼ばれる小ぶりなものを選ぶとよいでしょう。 感謝祭は、日本でいえば、現在は勤労感謝の日の祝日である11月23日に昔から宮中や各地の神社で行われている「新嘗祭」に相当するでしょうか。10月のハロウィーン、12月のクリスマスにはさまれた11月のイベントとして、収穫と食料に感謝しながら、家族や友人たちと旬のごちそうを囲んで祝う習わしが日本にも定着するといいなぁ、と思います。 ※写真の七面鳥の丸焼きは、レモンライスを詰めてパクチーを散らした、東南アジア風の七面鳥の丸焼きです。

※掲載情報は 2014/11/27 時点のものとなります。

  • 4
ブックマーク
-
ブックマーク
-
この記事が気に入ったらチェック!
自宅で本格的な感謝祭、クリスマスの七面鳥の丸焼き
ippin情報をお届けします!
Twitterをフォローする
Instagramをフォローする
Instagram
Instagram

キュレーター情報

青木ゆり子

各国・郷土料理研究家

青木ゆり子

雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。

地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。

「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。

次へ

前へ