栗饅頭
虎ノ門岡埜栄泉本店 住所:東京都港区虎ノ門3-8-24
店構えから「凛」として風情があります。虎ノ門と神谷町の間に位置する、ひっそりと、しかし存在感のある佇まい。岡埜栄泉といえば、豆大福が有名ですが、実は最中やお饅頭なども美味。
虎ノ門のお店は、上野広小路にある「初租 岡埜栄泉総本舗」で修業をなさった初代の松下勝重さんが、のれん分けしてできた店舗だそうです。どちらも似ているようでお味も商品アイテムも違いがあります。食べ比べてみるのも楽しいですね。虎ノ門の店では、秋にピッタリの栗饅頭もお薦めです。
栗饅頭は、持った時のズッシリ感が凄い。ちょっと驚く重量感です。さらに個装のパッケージを開けてビックリ!開けたら、「パリッ」と泣いたんです、お饅頭が!表面の焼きの箇所がとても上手に焼き立て感を保っていたため、ほのかに品よくパリッとするのです。かすかに聞こえるかどうかくらい。皆様、耳をそば立ててみてくださいね。作りたてではないのに、さらにパッケージに入っているのに、流通しているのに、このクオリティ。
中には栗がまるごと入っています。周りの品良い白あんが、抹茶にピッタリな品性の高さ。
そう、まさに品のある菓子。和菓子の中でも饅頭というカテゴリーでこの品性を出すのは並みではありません。
現代の風潮からいうと、少し甘さが強めですが、その白あんの甘さを全く感じさせない皮と栗のバランス。甘さ自体に完成度が高いので、糖度とは別に「しつこくない」と思える。これは出せそうでいて出せない技なのです。
切ってみます。「きれい……」栗と白あんをじっと眺めてしまいました。思わず、色バランスの美しさに本当に見入ってしまったのです。
品良く食べてもよし、あんぐりとパクッと食べるのもいい感じ。その食べ方だと、より栗の醍醐味を味わえます。
虎ノ門岡埜栄泉本店 住所:東京都港区虎ノ門3-8-24
※掲載情報は 2015/09/21 時点のものとなります。
(株)トータルフード代表/トータルフードプロデューサー
小倉朋子
(株)トータルフード代表取締役/亜細亜大学講師/「食輝塾」主宰/日本箸文化協会代表/農水省関東農政局食育推進ネットワーク幹事/ジャパンビアソムリエ協会マナー顧問/(社)エチケット・マナー協会理事
来世も再来世も食の仕事を!生粋の食マニア。トレンド、食文化、お取り寄せ、マナー、ダイエット、食育、伝統食…専門は広く、多角的に食の提案しています。どんなメニューも可能、店舗、食品関連のメニュー開発から一連のフードプロデュース多数。世界の食事マナーと食を総合的に学び生き方を整える「食輝塾」主宰。20年近く一度も同じ内容せず毎月開催を更新中!
●メディア
NHKラジオ番組3年以上レギュラー講師、日テレ「世界一受けたい授業」、テレビ朝日「芸能人格付けチェック」、はなまるマーケットなど出演、新聞、雑誌連載
●著書
『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』(文響社)、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『愛される「ひとり店」の作り方』(草思社)、『「いただきます」を忘れた日本人』(アスキー新書)、『グルメ以前の食車マナーの常識』(講談社)ほか、ベストセラー多数