京都 雲月「わらびもち」が美味しい理由

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素朴なのに、ただならぬ味わい

この美味しさは素朴なのに一流という、全く相反するような感覚を見事に共存させることを成し得た、これはある道を究めた作り手にしか形に出来ないもので、茶の湯でいう野に咲くような花であり、胸に響く歌仙の詩にも匹敵する味わいがあります。何の心得がなくともそのただならぬ感じは伝わって来ます。驚き言葉を失うもの、思わず笑みがこぼれるもの、誰もがひと度口にすれば、その美味しさに感服してしまうという代物。日にわずか10個ほどでもさり気なく今店頭に並ぶようになるまでには、どれだけの時間と創意工夫が重ねられたのだろうと頭が下がります。

京都 雲月「わらびもち」が美味しい理由

京都洛中にある光悦寺の程近く玄琢(げんたく)の地に約半世紀以上、懐石料理を営む料亭 京都 雲月。もともとの家業は、享保16年より御所出入りの薬御用人であったといいます。薬味調整は本家本元、素材の調味加減や塩梅もかつて相国寺 僧堂の台所 典座寮で三徳六味の禅宗料理・精進料理を手伝うことを許され、十年も務めた先代女将 福知千代さんから娘で現女将である福知説子さんへ受け継がれたもの。

 

私が取材させていただいたのは約3年前、その料亭の土産物だけを扱う南青山店を開かれた頃。「小松こんぶ」「じゃこ」「八味仙」「梅びしお」「御所桜」「福豆」「星月夜」と次々に人気の品を送り出し、その時から懐石料理の最後に供されている評判の「わらびもち」を、どうしたらお店の味のままお持ち帰りいただけるかを真剣にまた嬉し気に、まるで少女のように思案されていた姿が目に浮かびます。今、考え抜いた末に限られた数だけ並ぶこの「わらびもち」は、昨日今日そこに並んだわけではなく、ようやくお目見えした長い物語があるのです。それを、ほんの気持ちと松の葉を添えて出す心意気、並大抵ではありません。美味しいものは世に出て来るまでにそれ相当の理由があるわけです。

京都 雲月「わらびもち」が美味しい理由

今年のお正月に琵琶湖に行く前に、雲月 御所店に家族でお昼をいただきに寄りました。もちろんお土産に「わらびもち」をお願いし、待ちきれずその夜にはホテルであっという間に食してしまいました。もっと味わっていただけばよかったと後悔するばかり。ですからお取り寄せした今回は、心して、ゆっくり堪能したく思います。皆さんもぜひ、美味しさの理由を深く噛み締めながら味わってみて下さい。もちろん無邪気に食べても美味しいものは美味しいのですが。

 

美味しいものを見つけたら、まず親しい方にやはり一番に知らせたくなりますよね。身内や親類、大事な友人に笑顔を誘う贈り物として、また、おひとつどうぞ。

 

京都 雲月 御所店 TEL:075-223-5087

京都 雲月「わらびもち」が美味しい理由

※こちらは風情のある佇まいの御所 雲月 北店 入口

わらびもち

京都 雲月 御所店 住所:京都府京都市上京区寺町通今出川下ル真如堂前町118

※掲載情報は 2015/08/11 時点のものとなります。

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冨田いずみ

ギフトコーディネーター

冨田いずみ

広告、映像および音楽制作プロダクション業界に従事し、コピーライター、プランナー、プロデューサー業を経験しフリーに。食品・ファッション・インテリアなど多岐に渡る商品を紹介していく中で、メディアやメーカー、ショップからのギフト需要に応える機会が増え、様々な場面や人にふさわしいギフトを選び提案する「ギフトコーディネーター」としての仕事が定着。
■メディア実績
【新聞】
日経PLUS1、日経新聞、東京新聞、朝日新聞、読売新聞など
【テレビ】
NHK「あさイチ」フジTV「ノンストップ!」「スーパーニュース」日本TV「サタデーバリューフィーバー」、テレビ朝日「お願い!ランキング」など
【雑誌】
日経おとなのOFF、AERA、販促会議、週刊文春、週刊朝日、CREA、ミセス、25ansウェディング、Grazia、GLAMOROUS、Oggi、THE21、JJ、DIME、steady.、Gainer、MORE、an・anなど多数
【著書】
「センスがいいと思われる 贈りもの美人の作法」KADOKAWA

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