たちばな
東京都中央区銀座8-7-19 江安ビル1F
「銀座ならではの手土産を……。」というリクエストをよく頂きます。全国展開で手に入る有名処や安定感も大切ですが、やはりその土地ならではの希少価値の高いものを、という場面が求められます。
“銀座限定”のお品は数あれど、太鼓判を押してお勧めできるのが『たちばな』の「かりんとう」です。 “江戸かりんとう御三家”の呼び声も高いのですが、残念ながら通信販売やデパートへの出店をされていません。つまり、店頭に伺わないと手に入れることができない究極の手土産、貴重なかりんとうなのです。
銀座8丁目の路地裏に佇む『たちばな』は、なんと創業明治42年(1909年)! 知らないと通り過ぎてしまうほどひそやかな入口です。店頭にかりんとうの見本が出ていますが、それがなければ料亭かと見紛うようなその風格たるや、さすが老舗です。社用でお遣いになると思しきビジネスマンや上品な銀座マダムが、午前11時のオープン前から列を作っていることもしばしばです。
『たちばな』で販売しているかりんとうは、「ころ」と「さえだ」の2種類のみです。かりんとうの種類(1種類入る丸缶か、両方入る角缶)を選んだら、缶の大きさ(1種類なら大中小、2種類の角缶なら1~3号)を選ぶ、というシンプルな注文です。ご自宅向けの簡易プラバッグ入りも販売されています。こちらも橘模様の袋に包装されているので、親しい方ならちょっとした手土産にもおすすめです。
角缶1号は、「ころ」と「さえだ」が各100gずつ入っています。橘の花模様が散ったクリーム色の包装紙でしっかりと丁寧に包まれています。缶は、上品な緑がかったグレーの地に橘の花模様が散ってなんともおしとやか。松の葉の熨斗紙(細い松の葉にも隠れるくらいの「気持ちばかり」という謙遜の意です)がかけられているところにも、心遣いを感じます。賞味期限も約1か月半と日持ちも良いので、贈答にはうってつけのお品です。
<左:生地の白さが見える「ころ」、右:中まで蜜が染みわたった「さえだ」>
「ころ」も「さえだ」も、原料はいたってシンプル、小麦粉、砂糖、植物油、イーストのみで作られています。二種の違いは太さで、「ころ」は親指くらいの太さです。食べ応えがあり、砂糖が中まで染み切っていないので甘すぎず、生地の風味を楽しむことができます。「さえだ」は“小枝”の意味で、「ころ」の半分くらいの細さですが、それでも一般的なかりんとうより太目です。しかし、中までしっかり蜜が行き届いているため、カリッとしながらも、サクッとした口当たりです。どちらも、表面はツヤツヤの白砂糖蜜を幾重にもコーティングして、まるでガラス細工のような艶やかさ。極限まで上品なかりんとうは不思議なもので、単調な味かと思いきや、一つ食べるともう一つ、またもう一つ……とやめられない、止まらない美味しさです。
東京都中央区銀座8-7-19 江安ビル1F
※掲載情報は 2018/12/21 時点のものとなります。
エグゼクティブアシスタント
増渕明日香
銀座で役員秘書をしておりますので、日々美味しいものに出会えます。秘書のほか、マナー講師もしております。贈り物のマナーは、お相手のことを一番に考えることです。差し上げる方の笑顔を思い浮かべ、相手も自分も思わず顔がほころんでしまうようなお品物選びを心がけています。クライアントへのお土産、大切な人への記念の贈り物、ミーティングがはかどるお弁当やほっと一息つけるお茶菓子など……デパ地下めぐりやお取り寄せが趣味なので、楽しみながら選んでいます。 秘書ネットワークのほか、社内有志で銀座でパフェを食べる「パフェ部」活動をするなど、美味しいものが取り持つご縁に助けてもらっています。 秘書検定1級、国際秘書検定CBSホルダー、日本サービスマナー協会認定マナー講師、認定コーチ、アロマテラピー検定1級、日本茶検定1級。