たどりついたら泉屋のクッキーだった

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子供の頃から食べている味が、なぜか会議室でもウケる理由は?

たどりついたら泉屋のクッキーだった

幼い頃、西宮に住んでいた私にとって、「泉屋のクッキー」は、「東京の味」でした。祖父母が来るときにお土産にもってきてくれる。


大きな缶のふたを開け、5歳上の兄ととりあって食べたものです。戦いはいつも兄の勝ちでした。朝起きてふたを開けると微妙に減っている。

 

おいしいクッキーを夜のうちに兄に食べられていました。「あぁ、一度全部一人で食べたい」そんな思いをいつも抱かせるクッキーでもありました。

 

大人になって、やっとひとりで食べられるようになった。そこで、あらためて自分の好きな味をさがしてみたら、写真の三枚のクッキーになりました。ひし形のウォールナッツ、楕円のココナッツ、ブラウンの小さいのがシナモンの効いたBSロック。有名な浮き輪型のリングダーツやクリームフィンガーよりも地味目のラインナップです。

しかし、すべて微妙に味わいが違うのです。長く愛される理由も、きっとここにあるのでしょう。

 

あれほど「ひとりで食べたい」と思ったのに、いざ独り占めしてみると、なんだか寂しい。美味しいものの争奪戦やそれぞれの批評を含めて、大勢で食べた方がおいしいのも「泉屋のクッキー」の特長です。
私は、企画や編集など時間がかかる仕事場に袋もののクッキーを手みやげにもっていきます。缶よりも大仰ではないし、どこでも手に入るのがうれしい。間違いなく歓迎されるのは、懐かしさやおいしさばかりでなく、指がテカるくらいバターの効いたクッキーが多い中、きっちりと焼いた香ばしいクッキーが、作業の邪魔にもならないのです。

 

私はきっと「泉屋のクッキー」を食べ続けます。きっとまた、好きなクッキーのラインナップが変わっていることでしょう。それも含めて、結局たどりついたクッキーの最高峰は、泉屋。書いてるそばから、また食べたくなりました。

※掲載情報は 2017/05/21 時点のものとなります。

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ひきたよしあき

スピーチライター/コラムニスト

ひきたよしあき

(株)博報堂で、広告クリエーターとして働くかたわらで、「朝日小学生新聞」などにコラムを書いています。出張、撮影、講演で全国を回りながら、おいしいものを送ったり、頂いたり。誰かに何かを送ろうとする時、そこに素敵なエピソードが生まれます。高い安い、有名無名に関わらず、できればその一品にまつわる物語までお伝えしようと思っています。皆さんからの情報もお待ちしています。主な著書「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)

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