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品物選びでは、お相手の受け取り方法も大切な条件
日産自動車株式会社としては、お中元・お歳暮はいただかないというコンプライアンス上の定めがありますので、お礼とお詫びの書状を添えて、お返しできるものはお返ししています。ただし、品物によってはお返しすることが困難な場合もあり、失礼に当たらないように配慮しつつ、今後はご遠慮いただくよう明確にお伝えしなければなりませんので、言葉選びには細心の注意を払っています。一方で、役員が個人名義で贈答品を贈りたいという場合、私はすべて一任されておりますので、受け取るお相手の年齢や生活環境など、できるだけ詳しい情報を入手するよう努めています。初めてお贈りする方や、もう少し情報が欲しい場合は、社内の他の秘書に声をかけて情報をシェアし合うこともあります。プライベートな情報にはなってしまいますが、お相手が受け取る状況まで想定した上で選びたいので、ご自宅に送る場合は、ご家族がいらっしゃるのかどうかも重要です。ご本人が不在でも、ご家族がいらっしゃるなら荷物を受け取ることが可能でしょうし、単身の方なら受け取りまでに時間がかかる可能性もありますので、日持ちのするものを選ぶようにするなど、品物を選ぶ条件も変わってきます。
女性や海外の方への贈り物選びも悩みどころ
どんなお相手への贈り物であっても、いろいろな事を考えて品物を選ぶので、容易ではありません。女性の場合は特に難しいのですが、『パール』は間違いないものの一つですね。パールを使ったアクセサリーやブローチなどは、だいたい喜ばれます。海外の方への贈り物選びが、また難しいです。食べ物よりも『置物』、ご家族のいる方なら『食器』など使えるものを選ぶことが多くなります。日本よりも乾燥した地域の場合は、漆を使ったものはヒビが入ってしまうことがあるとか。そのような破損の心配がなくて日本らしさのある『扇の置物』をお贈りしたりしています。また、長いお付き合いのある方だと、お歳もどんどん召されていくので、その年代に合ったものを選ぶ必要も出て来ます。「またか」と思われないような品物を選ぶのが一番難しいかも知れません。全体的な傾向としては、食べ物なら一般的に誰もが知っている老舗の料亭やホテルなどの品物を選ぶことが多いです。名前を聞くだけで「ああ、あそこの」と、信頼感や安心感を抱いていただけますので。品物選びにはインターネットでの検索もしますが、実際にデパートのフロアへ足を運び、自分の目で見て選ぶこともあります。
ハードワークだからこそ甘いお菓子は嬉しいもの
秘書室員には現在約20名が勤務しており、手土産をいただく機会もあります。女性はみんな和洋を問わずスイーツが大好きですし、秘書は日々激務をこなしているので、「昼食を食べそびれた」のようなことも少なくありません。そんな時は特に、手土産でいただく甘いお菓子が本当に嬉しいようです。小分けになっているのはもちろんですが、甘い物で、ちょっとお腹にたまる物は、みんな飛びつくように喜んでいただいていますね。特に印象に残っているのは、岡埜栄泉(おかのえいせん)」の『大福』です。とても美味しくいただきました。こちらから手土産を持っておうかがいする機会は少ないのですが、例えばプロジェクトを組んでベンチマークのために他の企業を訪問させていただくような時には、あらかじめ従業員の方たちの年齢層や男性と女性の人数などをヒアリングさせていただき、手土産を持参しています。最近では若い世代の方たちが多いので、若いメンバーに任せて洋菓子を選ぶことも多くなっています。
豆大福
岡埜栄泉一番人気の商品「豆大福」です。国産の米、小豆、赤エンドウを使用しています。お餅にはほんのり塩味が効いており、甘みを抑えた大納言餡との組み合わせが人気です。毎晩夜中から手作りで作られ朝店頭に並べられる売り切れ必至の上野名物です。
栗大福
※掲載情報は 2014/12/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日産自動車株式会社 秘書
佐藤直子
1985年入社、秘書室に配属。
入社2ヶ月で、当時の社長秘書アシスタントとなる。
以来、塙義一副社長(当時)を初め、7人のエグゼクティブ秘書を歴任。
現在、小枝至相談役の秘書を務める。
これまでの秘書生活で培ったおもてなしの心と察する力をまとめた書籍、『エグゼクティブ秘書の「気配り」メモ』上梓
■ 『一流秘書の気配りメモ』(KADOKAWA)
http://chukei.co.jp/business/detail.php?id=9784046013668
■同電子書籍版
http://www.subarusya.jp/book/b167610.html
日産自動車株式会社は1933年に神奈川県横浜市に設立され、現在、日本を含む20の国や地域に生産拠点を持ち、160以上の国や地域で商品・サービスを提供しています。
2014年11月25日にNISSAN GT-R 2015年モデルを発表、2007年の発売以降、圧倒的なパフォーマンスを誇るスポーツカーとして認知され、「今までになかったワクワクを」体現したモデルです。