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冬のリゾートホテルで見つけた秀逸なみかん
九州のリゾートホテルといえば、夏をイメージする。確かに、海や山のレジャーと夏、そしてリゾートホテルは親和性が高い。長崎県大島にあるオリーブベイホテルは自然に囲まれた風光明媚なロケーションにあるスモールラグジュアリーホテル。クルーザーが発着するホテルとしても知られ、人気のプールと共に夏のイメージが強い。
何気なく冬に訪れたホテルで幸せを見つけた。
チェックインしてお気に入りの客室で荷解きしつつアッ!と驚いた。テーブルの上に小さな小さなみかんが置かれている。その名も「小さな恋」。早速頬ばってみると凝縮した甘みとジューシーさに驚愕。一気に冬のオリーブベイホテルファンになりそうだ。みかんは西海市の特産物。東京などの青果市場では、日本で一番高値のつく名門みかんだという。東京に住んでいたらこのようなみかんに出会うことは困難だろう。
聞くところによると、大島からほど近い、長崎・西海エリアのとれたてが集まる特産品直売場所「よかところ」で取り扱われている、小粒みかんとのこと。よかところは、西海市の豊かな自然とそこで暮らしている人々の愛情をたっぷりと受けた、新鮮でおいしく安全な農産物を提供することをコンセプトにしている。全商品に生産者の名前がラベルに貼ってあり、毎日早朝に出荷し夕方に引取るという徹底ぶり。
西海市のある長崎西彼杵半島は温暖な気候に加え、海に囲まれた坂が多い地形。リアス式の海岸線に沿ったエリアで急斜面を段々畑にすることにより、みかん畑に太陽の光が行き届くという。燦々と降り注ぐ太陽の光と潮風は、ただ甘いだけではない、程良い酸味とコクも生み出す。海と太陽と温かい風土の恵みなのだ。
そんなみかんを更に小振りにすることで、柔らかい薄皮から果肉へ旨味がぎゅっと凝縮。思わず恋してしまうみかんが誕生する。
そんなワールドクラスのリゾートホテルならではのクオリティは、ハード・ソフトそしてみかんに至るまで本物であることを教えてくれる。小さな恋に幸せを感じる大島の冬だ。
※掲載情報は 2017/01/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。