平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

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平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

お月さまとうさぎとすすき。かわいすぎる京都限定の「京ふうせん」

平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

この夏、京都の五山の送り火を見に訪れましたが、点火30分前から激しい雨が降り始め、全く見えませんでした。残念なことの後には良い事もあるものです。翌日、友人が末富さんに行くのでご紹介しましょうと、ご縁をくださり、京和菓子の文化と伝統を継承する老舗 「末富」3代目の山口富蔵さんにデザインやカメラの話を伺いながら、お茶とお菓子をいただく機会に恵まれました。

 

お土産にいただいたこの可愛らしい焼き菓子「京ふうせん」は、京都限定のものです。

 

「京都では平安時代から女官の装束合わせ仕立ての衣の表裏のきれを「かさねの色目」と言い、この色目で京都の季節を楽しんでいました。末富はちいさいふやきをふうせんに見立てて、「かさねの色目」の基本の色目五色のお砂糖で今日の色目を表現しました」とあります。

 

パステル色のなんと美しい事でしょう。京都限定の「京ふうせん」には可愛らしいうさぎと、お月様とススキの干菓子が添えられています。自作の黒い釉薬の皿にのせて撮影してみました。

平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

京都五条を少し上がったところにある本店。ご存知のように京都市内では北にある「御所」の方向に向かうことを「あがる」と言います。

平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」
平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

ただ可愛らしいだけのお菓子ならどこにでもありますが、末富さんの和菓子の素晴らしさは、このお菓子にそえられた文章からもわかるように、日本の文化や伝統を深く理解しながら和菓子で表現し伝えようとしている奥深さにあります。今でも手間をかけて場に合わせたオーダーメイドのお菓子を手掛け、神社仏閣の慶弔時、お茶席や歌舞伎の世界などからも厚い信頼を寄せられています。

 

和菓子には物語があり、歴史があり、想像し、目で、心情で、味で、お客が完結させるとおっしゃっていました。

 

富蔵さんは謂れを知るなどキーワードを集めて、四季の移ろいに敏感な日本人にしか解けない謎賭けのミステリーを楽しんでいらっしゃる様子でしたが、時々奥様が「難しすぎてお客さんわかりはらへんのと違う?」とつっこみを入れると笑っていらっしゃる素敵なご夫婦でした。

末富ブルーの美しい包装紙

平安時代の「かさねの色目」を染めた末富の「京ふうせん」

私はこのブルーとピンクの色合わせが好きで、娘時代にこの色の着物を母にねだった覚えがあります。娘の富子さんは跡取り娘としてこの色柄の振袖を着たと伺いました。末富のホームページにはこの末富ブルーの逸話も紹介されています。

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キュレーター情報

今道しげみ

写真家/LIVING PHOTO 主宰

今道しげみ

神戸女学院大学を卒業後、全日空の客室乗務員として勤務。
結婚と同時にロンドンに6年間滞在し、英国及びパリスタイルのフラワーデザインを学ぶ。
1990年より、フラワースクール『Salon de Sylvie』をロンドン・香港・東京で主宰し、フラワーデザイナーとして活動。

2005年、デジタル一眼レフの写真教室 『LIVING PHOTO』をスタート。 50mm・F1.4のレンズを使い、ふんわりぼかす『リビングフォト』というスタイルを10年近くかけて独学で考案し、商標登録を取得。

東京・久我山のサロンで、リビングフォトレッスンを定期的に開催。
日々の暮らしのシーンを美しく、自分らしく写真で表現したいと思う女性たちに、わかりやすく楽しいレッスンとして、絶大な支持を得、教室は常に満席。 予約がとりにくいサロンレッスンとして知られる。受講者は1500人を超える人気講師。
夫と2男の4人家族。
■ ニコンカレッジ講師
■ APA公益社団法人日本広告写真家協会 正会員
■ 2012年 アマナイメージズに作家登録

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