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アクアメール
【la belle-iloise】 オイルサーディンシリーズ サーディンセット
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缶詰が好きなのです。輸入食品スーパーマーケットなんかに行くと、味は判りませんがパッケージのデザインに引かれて買ってしまうのです。言い訳としては、非常用の食料として買っておくという意味もあるのです。東日本大震災で三陸の実家とやっと連絡が取れて宅配便がかろうじて動いた時に、青山通りのスーパーマーケットで、そのまま食べられるレトルト食品や缶詰を大量に購入して送っていたのです。しかし、スーパーマーケットの棚からは安い缶詰が姿を消し、高級ホテルのグルメ缶詰や超高価なズワイガニの缶詰しかなく、「こんな高価な缶詰は買えないや!」と思ったことがありました。その後、ある雑誌の企画で非常用防災グッズの特集があり、色々な缶詰の食べ比べをしてコメントする仕事が来たことがあり、試食してみると存外旨いのが多く、ますます缶詰に引かれていくのでした。
20年前のパリで、魚介専門のレストランの話です。老舗の高級魚介専門レストランから独立したシェフがやはり、魚をメインしたレストランがあるというので出かけました。店には巨大な水槽があり、その場で選んだラングステーヌを調理してもらえるそうですが、何だか日本料理店のような感じですね。びっくりしたのは、オードブルでサーディンの缶詰が出てきたのです。それも、フランス語で“クロッシュ”というのですが、銀のドームカバー付きの皿を恭しくテーブルまで運び、おもむろにクロッシュを取ると中は缶詰というギャップを店では演出していたのです。皿にサーディンが無造作にのって、缶詰だという証拠にサーディンの空いた缶詰が屋根のように被さっていたのです。
まぁ、この缶詰のサーディンが他のちゃんと調理した料理よりも美味しかったのです。お土産に空の缶詰を貰って、翌日パリの高級食材店で同じ缶詰を買いました。さて、そのフランスのサーディンの缶詰のご紹介です。ブルターニュ地方は大西洋に囲まれた半島にある港町キブロンの老舗コンセルヴェリ(缶詰工場)、ラ・ベル・イロワーズでつくられるオイルサーディンの缶詰です。しかし、今回の一番のお気に入りは、オイルサーディンではなく、「バターサーディン」なのです。勉強不足で知らなかったのですが、イワシにバターと食塩、レモン果汁のみで作られたバターサーディンがたまらないのです。
これは、蓋を空けてから直接加熱しますが、だんだんバターの香りが立ってきて、食欲をそそるのです。普段もオイルサーディンは缶詰ごと火にかけて仕上がりに、カイエンヌペッパーを振りかけて焦げるくらまで加熱しますが、このバターサーディンはそのままの方が美味しいです。サーディンを食べ終わったら残りの液体をパンに吸わせて、辛口の白ワインを飲みながら食べても良いのです。このサーディンの缶詰は、創業1932年での創業者ジョルジュ・イリエの一族が現在も伝統を受け継ぐ老舗缶詰メーカーのもので、主にサーディン、ツナ、アンチョビ、サバを原料とした缶詰加工製品、魚のスープなどの加熱加工品を製造しているそうです。
その他に、オイルサーディン・グリーンペッパー風味、クラシック・オイルサーディン、オリーブオイル・サーディン、サンフラワー・サーディン、フレーバー・サーディン、マリネサーディン・白ワインと香草風味、オイルサーディン・ピメント風味、オイルサーディン・シトロン風味、温めるサーディン、トマト&バジルサーディンと魅力的なものが沢山あり迷いますね。しかし、この缶詰の残ったバターをさらに温めて少し醤油を入れて、白飯に混ぜてバターかけご飯にしたら、絶対にうまいはずだと後で思ったのです。こんど、トライしてみよう!
※掲載情報は 2016/05/30 時点のものとなります。
アートディレクター・食文化研究家
後藤晴彦(お手伝いハルコ)
後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。