食べてビックリする喉越し!麺の滑らかさが癖になる十日町玉垣製麺所の「へぎそば」

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のどごしバッグンの旨いふのり麺

食べてビックリする喉越し!麺の滑らかさが癖になる十日町玉垣製麺所の「へぎそば」

新潟の別宅に1週間ほど休暇で滞在をしていた。ここでは毎日三度三度の自炊生活の日々なので、近所のスーパーマーケットで食料品の買い込みをしなくてはいけない。せつかく買うなら地場の野菜や地元で売っていないものをさがそうと売り場を見ていると、東京ではあまり目掛けないものもあり楽しいのだ。

 

今では有名になったが、厚くて大きな「栃尾の油揚げ」は定番で焼いてたっぷりの生姜と刻みねぎをのせて醤油をかけて食べるとすこぶる旨く日本酒にもピッタリである。1日3食となると朝はパン、昼は麺類、夜はご飯と大体ローテーションが決まっており、麺類は欠かせない食材で麺売り場を物色していた。

食べてビックリする喉越し!麺の滑らかさが癖になる十日町玉垣製麺所の「へぎそば」

すると、以前ippinでも紹介した十日町にある玉垣製麺所の「妻有そば」があり、大好きな「ふのりそば」を買い物かごに入れたのだが、隣に同じ玉垣製麺所の「高級へぎそば 越後ひとゑ」というのを発見。レギュラーの「妻有そば」に比べると値段は倍も高いが、へぎそば愛好者としては食べてみなくてはと思いかごに入れ、さらに麺つゆもあり一緒に購入した。ここで一度「ふのりそば」とは何かおさらいをしている。新潟の中でも豪雪地帯といわれる魚沼地方の小千谷市や十日町は昔から織物が盛んで、小千谷縮や十日町御召しの産地として有名なのであるが、この織物で使われる糊がそばのつなぎになったのである。

 

糊は着物の洗い張りなどに欠かせないもので、ご存知の方も多いと思うが、この糊は「ふのり(布海苔)」といって海藻から作られた糊なのである。この織物の緯糸(よこいと)をピンと張るために「布海苔」をよく使っていたので小麦粉よりも入手しやすく。この「ふのり」の煮汁をそばのつなぎに使えないかと考えた人がいたのだ。大正11年に小林重太郎がふのりでつないだそばを作り、小嶋屋を創業してこのふのりそばが現在まで広がっているのだが、いままで、ふのりそばという名称で書いてきたが一般的には「へぎそば」といわれている。

食べてビックリする喉越し!麺の滑らかさが癖になる十日町玉垣製麺所の「へぎそば」

「へぎ」とは剥ぐ=はぐ=へぐ)のなまりだそうで、木を剥いだ板を折敷にしたもののことであり、「へぎ」という器に盛られたそばのことをさすが、一番最初は大きな長方形のへぎを注文したのだが、これは別名「一升そば」ともいう。一升は1500gでそばの1人前を150gとして10人前はある量なのだが、地元の人に言わせると一升ぺろりと食べられるこらいへぎそばは喉ごしがよくツルツルと胃に入っていくと。

食べてビックリする喉越し!麺の滑らかさが癖になる十日町玉垣製麺所の「へぎそば」

十日町にある玉垣製麺所「妻有そば」の妻有というのは新潟と長野の県境近くにあるやはり豪雪地帯で、やはり、雪と寒さの気候がそば作りに影響しているのだろうか。食べてみてびっくりしたのは、ツルツルと入っていく喉ごしの旨さである。石臼挽き自社製粉麺に布のりをつなぎに使っているが乾麺とは思えない滑らかさなのだ。

 

それともうひとつは、新潟のへぎそば屋さんで食べる麺つゆは食べているうちにつゆが薄まり、物足りないのだが、玉垣製麺所の麺つゆは香りが高く、コクのあるうま味がへぎそばと絡んで、ツルツルが止まらないだ。これから暑くなる日を迎えるが、麺類の出番が多くなるだろうし、今度は玉垣製麺所の「妻有ひやむぎ」や「妻有そうめん」も食べてみたいなぁ。

※掲載情報は 2019/06/25 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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