播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

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茹でたてののどごし播磨喜水・赤

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

季節に関係なく、そうめんやひやむぎが大好きなのです。冷たくしても、温めんでも良いのですが、薬味はたっぷり用意して、少なくともいっぺんに2~3人前は食べます。そんなめん好きにうどん関係の仕事がきたのですが、これが大変!ネットでうどんの知識を知ってもらうサイトのコンテンツ作りで、歴史から小麦粉の科学的などと幅広い内容なのです。

 

その中には“かん麺”も含まれており、「うどん」「ひやむぎ」「そうめん」などは、それぞれの麺の太さの違いによって定義分類されているのはご存知のことだと思います。「干しうどん」は長径1.7mm以上で、「干しひやむぎ」は長径を1.3mm以上1.7mm未満、「干しそうめん」は長径1.3mm以下に成型したものとあります。

 

余談ですが、かん麺やパスタにはそれぞれ茹で時間表時がありますが、当然太ければ太いほど茹で時間が長くなります。その茹で時間は断面積に比例すると言われて、めんの中心に熱が伝わるのは早いのですが、水分がめんの内部に浸透するまでに時間がかかるのです。茹で時間の長短には、めんの太さ(中心部までの距離)が関係し、断面積は半径の二乗で求められ、これに比例すると太さ(径)の二乗に比例するのです。太さが倍になれば断面積は4倍になるから、茹で時間も4倍かかる事になります。

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

さて、今回紹介する「播磨喜水(はりまきっすい)」には3種類のめんが揃ってます。「播磨喜水」の案内を読んでいると、手延べめん製法は毎日の気候や状態で太さが変わるのだそうです。「ふつうのそうめんよりちょっと太い」という一個所で笑ってしまいました。「そうめんより太いのはひやむぎ?」実は太さの規格は機械製麺ですが、「播磨喜水」は手延べめんなのです。

 

日本のめんの食文化のはじまりを辿ると「そうめん」なのですが、播磨の地で現在のような手延べ製法が確立したのは、室町時代頃からなのです。それから500年余りもの長い間、伝統的な製法を守り伝えつつ現在に至っており、豊臣秀吉が姫路城に入った際には、地元の名産として煮麺でもてなしたという記録もあるのです。播磨喜水の製法は、その頃から確立されてきた手延べの伝統文化を元に江戸時代に使用されていた道具と同じ様式を今も受け継ぎ、播磨に継承されてきた伝統文化のなかに現代の文化の考え方をよりよく取り入れて、行われているのです。

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

「播磨喜水」白は一番ポピュラーな手延べめんで、茹で時間は2~2分半。「播磨喜水」黒は“黒麦(そば)粉”を使った黒麦の香りが高く、茹で時間は3~3分半です。最後の「播磨喜水」赤は“白”の香りを活かし、さらに“白”より太くして食感を強くしていて、湯で時間5~5分半後に蒸らし1分を追加します。この3つを盛り合わせを同時に味見してみましたが、やはり、それぞれが際立った味と食感で、個人的には「播磨喜水」赤が好みでした。茹でた後にすぐ引き上げないで、1分ほど茹で湯の中で芯まで水分を行き渡らせると、打ち立て茹で立てののどごしの良さが伝わってきます。

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

この3つの手延べめんは、それぞれ小麦粉のブレンドが違うそうで、小麦粉の梅実を引き出す塩は、地元の播州赤穂の天然塩を使用しているのです。そして、手延べめんに欠かせないもう一つの大事な素材が水ですが、日本三彦山の一つである雪彦山系の伏流水を使用しており、良質の手延べめん作りには最適な環境だと思うのです。

播磨の風土が産んだ、3色の手延べそうめん

※掲載情報は 2016/05/13 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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