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教えてくれたのは天狗
「圓八のあんころ餅」と言えば、石川県民なら知らない人&食べたことがない人はいない、お馴染みの銘菓です。
その圓八の歴史は古く、創業は元文2年(1737年)ですから、なんと今から270年以上前ということになります。さらに名物のあんころ餅には“天狗伝説”があり、その昔、天狗があんころのレシピを教えてくれたというエピソードに始まっています。そのため、圓八さんの家紋は天狗の扇なんですよ。また、「圓八」というのは、店主が代々襲名しているお名前なんですよ。
あんを作るのに3日もかかっています!
あんころ餅は竹皮に包まれているため、あんに趣きある竹の香が移っています。お餅もこしあんも口どけ良いなめらかな食感で、雑味のないあっさりとした味わいで、いくつでも食べられるおいしさです。その秘密は手間暇かけた製法にあり!出来上がるまでには3日もかかるんですよ。
通常は炊いてあんを作りますが、圓八さんでは「生あんを蒸して水にさらして灰汁抜きをして」の工程を3回も繰り返します。そこに蜜を絡めて仕上げ、添加物など余計な原料も入っていないため日持ちは1日なんです。
駅や空港の販売店では、買って帰るのをお忘れなく。
本店でしか食べられない、まんまるあんころ
そして、通常のあんころは竹皮でピタッと潰れていますが、本店では、球状のまんまるなあんころ餅が食べられるんです。
お餅をこしあんで完全コーティングしてあるため、始めに餡の香り高さと滑らかな舌触りを感じ、それが溶けていくのと同時に、絶妙なやわらかさのお餅と一体になります。いつものと同じようでちょっと違うんです!こちらも美味です。
日本一のジェラテリアとコラボ
「あんころジェラート」は、ジェラートコンテストで日本一に輝いた「マルガージェラート(石川県野々市市)」との共同開発で完成した、あんころのジェラートです。
老舗銘菓の味をジェラートにすべく、開発にかなりの試行錯誤があったようで、こちらも圓八さんらしい安定感ある味わいが完成しています。甘さにイヤミがなくて、小豆の風味もちゃんとありますし、なんとお餅も入っており、まさにあんころ餅のジェラート版なんですよ。
今日もお腹いっぱい!あすかりんでした。
※掲載情報は 2016/03/01 時点のものとなります。
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キュレーター情報
一級フードアナリスト、利酒師
雅珠香(あすかりん)
金沢を中心に年間約600軒食べ歩くフードライター、通称あすかりん。
日本フードアナリスト協会認定1級フードアナリスト、SSI認定利き酒師、日本箸教育講師、食の親善大使「食のなでしこ2013」準グランプリ
著書に「あすかりんのおいしい金沢」「あすかりんのおいしい能登めぐり」がある。
北國新聞・富山新聞朝刊「あすかりんのランチで満腹」(毎週月曜日)連載中