スパイスの刺激が調和した「元祖」黒胡椒せんべい

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こだわった最上級の黒胡椒を使用

スパイスの刺激が調和した「元祖」黒胡椒せんべい

薄焼きの煎餅を頬張ってみる。さっくりとした歯ごたえは、薄焼きならではの軽快さが気持ち良いのである。日本の煎餅史において米の甘味と醤油の香ばしさが絶妙なのは言うまでもない。ならば、舶来の黒胡椒はいったいどんな塩梅をきかせているのか、醤油とのマッチングが気になるところである。

黒胡椒はなんて奥ゆかしいのだろう

スパイスの刺激が調和した「元祖」黒胡椒せんべい

辛さが主張をしすぎて舌を麻痺させるような野暮なことはしない。それでいて、あの高貴な香りを思う存分鼻腔で楽しませてくれる。ピリリとした黒胡椒が口の中でぷちぷちと弾け、まるで舌の上でタップダンスを踊っているようである。もう1枚、もう1枚と手が伸びては、お茶でのどに流し込む。胡椒がいくら刺激的だからと言ってビールで味わうのは勿体ない。こういう気品のある刺激物は、シンプルにお茶で楽しむのが正解なのである。

一子相伝の技術と、こだわりの素材

大正13年創業の「煎遊」は、塩せんべいの商いで瞬く間に評判を得た老舗なのである。親子代々受け継がれてきた、一子相伝の裏打ちされた技術に定評がある。またこだわりの米は国内産米のみを使い、丁寧に焼き上げられている。黒胡椒と煎餅の良縁を取り持った先見の明は、さすが老舗と言うしかあるまい。そんな煎餅屋に感謝と尊敬の念を抱くと、僕はいつも温かい気持ちになる。気が付くとまた黒胡椒せんべいを頬張っているのだった。

※掲載情報は 2015/12/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

ナイル善己

ナイルレストラン3代目

ナイル善己

ナイル善己(ないるよしみ)1976年生れ
1949年創業銀座の老舗インド料理店「ナイルレストラン」3代目。南インド・トリヴァンドラム出身のインド独立運動家であり、「ナイルレストラン」初代創業者のA.M.ナイルを祖父に持ち、2代目の父はテレビを始め各メディアでお馴染みのG.M.ナイル。
都内イタリアンレストランを経てインドのゴア州に渡り、アカデミー・オフ・カリナリー・エデュケーション(A.C.E)で料理を学び、ゴアの最高級ホテル・シダデゴア(Cida de GOA)の厨房で修業経験を持つ。
作りやすさとおいしさを追求する姿勢に、テレビや雑誌などのメディアで活躍中。
テレビ「NHKきょうの料理」「男子ごはん」「モーニングバード」他。著書「ナイルレストランが教えるはじめてのインド料理」(主婦と生活社)、「カレー粉クッキング」(アールズ出版)「ナイル善己のやさしいインド料理」(世界文化社)など多数。

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