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昭和48年から社内売店で発売され、40年以上も続く超ロングセラー
先日、最近オープンした品川にある「ニコン ミュージアム」に行ってきました。
ミュージアムでは、もうすぐ設立して100年になろうとする「ニコン」の軌跡を見ることが出来ます。ニコンは、カメラや眼鏡用レンズが有名ですが、それ以外にも宇宙観測のための天体観測機器や人工衛星に搭載される光学機器、最先端の医療現場で活躍する医療機器などを作っています。とても小さい細胞を観察するような「ナノメートル」の単位から、宇宙を観測する「光年」を単位するところまで、広大な範囲のものを製品対象としています。
そんな日本を代表する「ニコン」ですが、実はあまり知られていない「意外なもの」まで販売していたのです。なんと、「ようかん」を販売していたのです。その名も「ニコンようかん」。入り口付近の「ミュージアムショップ」で見つけてしまいました。
調べてみると、もっとビックリしたのが、この「ニコンようかん」の歴史が古いのです。もともとは、従業員向けに「ようかん」が作られ、昭和48年から社内売店で発売され、約40年以上も続く超ロングセラー商品だったのです。一眼レフカメラの名機「ニコンF3」が発売されたのが1980年ですので、「ようかん」の誕生のほうが古いのです。
「ミュージアムショップ」で販売されているものは、「胡麻、柚子、本練、塩、小倉」の5種類の味が楽しめる「一口ようかん」のセットです。
実際には、「一口ようかん」ではなく、普通の「ようかん」も製品としてあるようですが、カメラが小型される時代の流れとともに「ようかん」も、ニコンらしい発想で「持ちやすさ」にこだわり、「小型化」された「一口ようかん」も作られるようになったらしいです。
ニコンのイメージカラーに使われている黄色い「柚子」と黒の「胡麻」の「ようかん」を食べてみました。
「柚子味のようかん」は、最初は「柚子」の味は控えめなのですが、食べているうちに口の中に「柚子」の風味が広がります。それに対して「胡麻味のようかん」は、最初から「胡麻」の味を力強く感じます。「ようかん」にしては甘さが控えめなので、他の甘みのある「ようかん」に比べて一際目立つ存在です。この「ようかん」を実際に製造しているのは、さすがに「ニコン」ではなく、「ニコン」の栃木工場の近くにある明治44年創業の老舗の和菓子屋の「(株)本宮」です。
「ニコンのようかん」と思うとなんだか不思議な気分ですが、老舗の和菓子屋が作ったと言えば、素直に美味しいと思うはずです。従業員の為に、「ようかん」を作ってしまうニコンは素晴らしい会社だと思いました。頭を使って何か新しい「アイディア」を考える時に、「甘いもの」を食べると頭がシャキッとするという話をよく聞きます。
もしかしすると、数々の世界の最先端の技術を用いたニコンの製品は、この「ニコンようかん」があったからこそ誕生したのかもしれません。
ニコンの技術者たちを支えた「ニコンようかん」、ぜひ一度ご賞味ください。
※掲載情報は 2015/12/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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