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洋のエッセンスを取り入れた新趣のあんこ菓子『あんぽーね』
「あのん」は、おはぎで有名なサザエ食品(株)が、新ブランドとしてこの6月末に京都・祇園にオープンされたニュースタイルのあんこ専門店です。
コンセプトは、“あんこで物語を作る”あんこは和菓子にとって欠かせない食材。和食や和紙が無形文化遺産に登録されて注目を集めていますが、和菓子、ひいてはあんこもそれらに並び、世界に通じる存在になってほしいという想いから生まれました。
和の‘おはぎ’や‘ぜんざい’から、洋のエッセンスを取り入れた‘あんしゅー’、‘あんさんど’、‘あんまかろん’まで、あんこ尽くしの新たなる組合せのお菓子が多数取り揃えられています。その中でも、テイクアウトをすることができ、お日保ちもするということで、手土産や贈り物にお薦めなのが『あんぽーね』
滋賀県産の糯米「羽二重糯」を使った、香ばしく歯切れのよい最中の皮に、十勝産小豆をじっくりと炊きあげたつぶあんと、マスカルポーネチーズを使用した自家製クリームを、お好みでサンドして食べるスタイルです。
最中の皮は一度焼いたものを崩して生地に混ぜ、再度焼き直しているということで、これほどまでに香ばしい食感と香りは初体験! 小ぶりなサイズながら「あのん」のロゴがしっかりと刻印されていて、ふた口ほどでパクパクッと食べることができるちょうどいいサイズ感です。
最初は長方形も考えられたそうなんですが、円形の方が食べた時に皮と中の餡やクリームとの一体感があるということでこの形に決定されたそう。円くご縁が繋がるという意味合いも兼ねられ、尚良しですよね。十勝産小豆をじっくりと炊きあげたつぶあんは、甘さ控えめでほのかに塩気があり、この餡だけを食べてみると、しみじみとサザエさんの餡の美味しさが伝わってきます。
それもそのはずです! 実は「あのん」の餡は、炊き方や糖度などを変えて10種類以上が用意されており、それぞれのお菓子に合わせて使い分けられているのですが、こちらの『あんぽーね』には、サザエの看板商品である‘おはぎ’と同じ餡が使われているのです。この餡は塩分が他の餡よりも多く、味にパンチがあるので、チーズにも負けない存在感のある味わいです。
「あのん」のサブテーマは、伝統と革新。
和菓子には元来油脂は使われないですが、そこに洋の素材である油脂、バターや生クリーム、チーズなどを合わせることでまろやかな風味とコクをだすことができます。また、餡尽くしではなく油脂をあわせることで、食感や口溶け感も変わってきます。
この『あんぽーね』で一番試行錯誤をされたのが、マスカルポーネクリームの配合。最初にマスカルポーネ100%で作ってみたところ、ちょっと塩気が弱くチーズっぽくないということで塩分を補うためにクリームチーズをブレンドすることに。
この2種類のチーズの割合に何度も試行錯誤を重ね、よりチーズっぽく、あんこに程よい塩気を補う今のブレンド割合にたどりつかれました。
この美味しいあんこと、黄金比率のマスカルポーネクリーム。最中の皮に、どのような割合でのせるか悩みますよね?!私的には、あんこ6:マスカルポーネクリーム4がベストバランス!ほっこりとした甘みのあんこと、ふわっとエアリーに口溶け、塩気とコクを添えるマスカルポーネクリームの相性が抜群です!
ぜひ色々と試してみて、ご自分のお好みのバランスを見つけてくださいね!
味はもちろんなんですが、この商品のもう一つの魅力は、常温で30日間お日保ち可能ということ。製菓用の寒天素材を加えることで離水も防ぐことができ、長期保存が可能なので、遠方の方や海外の方にもお土産として大人気のアイテムなんです。
昨今、若者のあんこ離れが叫ばれています。しかし、和洋の枠を超えた「あのん」の“新趣”のあんこ菓子は、長年培ってきたあんこ作りの技法を軸に新しいエッセンスを加えることで、その魅力を若者や外国人にも存分に伝えることができ、新たなるファン層を獲得していくことと思います。
まだまだあんこには、様々な未知なる可能性が秘められていそうですね!
※掲載情報は 2015/07/06 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/