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世界が熱い視線を送る「若いワイン」
ポルトガル産のワインと言えば「ポートワイン」が有名ですが、アメリカで大ヒットするなど、近年特に海外で注目を集めているのが「ヴィーニョ・ヴェルデ」と呼ばれるワインです。スペインとの国境にある北西部のミーニョ地方で作られています。ヴィーニョ・ヴェルデには主に2つの特徴があります。ひとつ目は、しっかりと熟成期間を経て完成する「マチュアワイン」とは対照的に、熟成期間が短く2〜3年以内に飲むワインだということ。もうひとつは、毎年7月頃に、まだ熟し切っていないブドウを収穫して作られるということです。ヴィーニョ・ヴェルデと言えば海外では白ワインが人気ですが、地元では赤も白と同様にポピュラーです。
夏にぴったりな「微発泡ワイン」
「ヴィーニョ・ヴェルデ」は7月頃に収穫したブドウを使った夏のうちに出回るワインなので、やはり夏との相性の良いワインと言えます。飲み方にも特徴があって、キンキンに冷やし、主にミーニョ地方では、焼き物のワイングラスではなく焼き物のお椀に注いで飲みます。微発泡は炭酸水を加えるのではなく、醗酵の過程で自然発生するものです。アルコール度数はやや低めの9度〜10度程度。軽めで飲みやすく、シーフードとよく合います。夏の暑い日に、ランチタイムに海辺でシーフード料理と合わせて飲むのが最高です。また、価格が手頃なワインでもあるため、気軽に家族や友人と楽しむようなシーンにもぴったりです。価格に幅はありますが、白ワイン用の品種の中でも高級といわれるアルバリーニョ種を使っているものでも、ボトル1本20ユーロ(日本円なら2700円程度)で手に入ります。
もとは地元でのみ消費されていた「ご当地ワイン」
「ヴィーニョ・ヴェルデ」は性質上、船便など長期間に渡る輸送には適しないワインなので、赤道を越えるような遠く離れた国々へ輸出されることはありませんでした。また、そもそもの価格が低いため、ポルトガルのワイン業者は空輸してまで外へ出すことには消極的でした。ところが、ポルトガルとつながりの強いブラジルからの熱烈なオファーもあって、10年ほど前、ついに空輸が開始しました。日本には2005年に初めて紹介されました。愛知県で開催された「日本国際博覧会」において、ポルトガルのブースでお披露目されたのが最初です。日本での知名度はまだ高くありませんが、昨年「ボージョレ・ヌーボー」のように「ヴィーニョ・ヴェルデ・ヌーボー」を日本限定で製造したところ、とても質の良いものが完成しました。新しいワインを飲んで祝うという習慣はポルトガルにはありませんが、自国ポルトガルでそのようなイベントが生まれる日が、そう遠くはないかも知れません。
カザルガルシア ヴィーニョ・ヴェルデ白 (スクリューキャップ) DOC Casal Garcia Branco DOC
70年の歴史をもち味に定評のある爽やかな口あたりのヴィーニョ・ヴェルデ。ラベルのレース模様はこの地域の伝統刺繍をあしらったもの。フレッシュでフルーティー、きりっと冷えたヴィーニョヴェルデは和食にもとても相性が合います。
※掲載情報は 2015/06/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ポルトガル大使館
ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルは、日本が初めて出会った西洋の国です。1543年の種子島到来をきっかけに日本に南蛮文化を伝えたポルトガルは、日本人の日常生活や食文化に深い影響を残しました。皆様も歴史の授業でポルトガル人到来は勉強されたのではないでしょうか。
鉄砲、西洋医学、絵画で使われる西洋技術、西洋音楽・洋楽器、天体観測機、パンや菓子等、この時代にポルトガル人が日本に伝えたものは数多くあります。カステラ、金平糖、ボーロなどは語源もレシピもポルトガルからもたらされました。パン、コップ、ボタン、てんぷら、おんぶ、かっぱ、ばってら、じょうろ、チャルメラ、オルガン、カルタ、シャボン、タバコ、ビロード、ビードロ等、日常語として定着している数多くの言葉がポルト ガル語由来なのです。
歴史的建造物、自然景観、多彩な食文化、温暖な地中海性気候、15箇所の世界遺産と、無形文化遺産に認定された民謡「ファド」などの多様な魅力に魅せられ、ポルトガルを訪れる観光客はリピート率が高いことで有名です。「初めて訪れるのに懐かしい国」と多くの日本の皆様に親しまれるのも、470年以上にわたるおつきあいがあるからかもしれません。