京杏仁
京都杏仁本舗
暑い季節は“ちゅるん”“ぷるん”とお口の中に入っていってくれる「涼」を感じるデザートが食べたくなります。ゼリーや水ようかんも良いけれど、どうせなら体に良いものが好き。ということで薬膳スイーツともいえる杏仁豆腐が私の夏のお好みスイーツ。
杏仁豆腐の「杏仁」はあんずの種。あんずの核部分を乾燥させて、粉末にしたものが原料となります。中国ではそれ自体、漢方の生薬として使われることもあるのですが、肺を潤すといわれており、咳止め等に使われてきました。そんな「杏仁」を使ったスイーツ「杏仁豆腐」は食後のお口直しとしても、みんなが大好きなスイーツのひとつでもあり、中国大陸・香港などでは定番のスイーツ。ちなみに面白いことに、同じ中華圏でもなぜか台湾だとあまりお目にかかれないスイーツであります。
日本でいわゆる一般的な杏仁豆腐というと、“つるん”としていて、真っ白の杏仁豆腐に赤いクコの実がトレードマークのように乗っているのが定番ですが、こちらの『京都杏仁本舗』さんの杏仁豆腐は少し変わっていて個性的。初めていただいた時は、食感もお味も今まで食べた杏仁豆腐と一味も二味も違うことに驚きました。そのせいか、また食べたくなるのです。杏仁豆腐なのだけど杏仁豆腐じゃないみたいな口当たりと特徴的なお味の虜となってしまいました。
『京都杏仁本舗』さんの杏仁豆腐をいただくまで、“つるん”としているのが杏仁豆腐だと思っていましたが、ここの杏仁豆腐は弾力があり、スプーンですくおうとすると、すっとすくえず、“ぷるるん”とスプーンにはりつくようにのります。相当な弾力でスプーンの上でも“ぷるるん”“ぷるるん”していて食べる前から「なんか違うぞ」と感じます。
さらに食べる前に驚くポイントが他にもあります。それが、杏仁豆腐なのに一緒に添えられた黒蜜・きな粉をかけていただくこと。これが「京杏仁」の醍醐味でもあり、これこそが他の杏仁豆腐と味が決定的に違う味わいで楽しいところ。最初こそ、杏仁豆腐に黒蜜にきな粉なんて……と思っていましたが、ここの杏仁豆腐だけは別もの。それに、黒蜜やきな粉をかけても杏仁豆腐の「杏仁」の味は消えない、きな粉と黒蜜をかけるけど やっぱり杏仁豆腐の味なのが不思議。
京から届く一味変わった“ぷるるん”杏仁豆腐。この夏いかがでしょう?
京都杏仁本舗
※掲載情報は 2018/08/15 時点のものとなります。
茶ムリエ/メンタルコーチ
宮原昌子
綜合商社勤務を経て結婚。上海に住んだことをきっかけに、上海で中医学・中国茶を学び、飲むこと・食べることが毎日を健康で楽しく過ごすことになると実感。
帰国後、中国茶専門店にて通訳・バイヤー・コーディネート等を手掛け、2004年より茶ムリエとして活動。自宅サロン主宰・企業や団体へのセミナー講師・雑誌やテレビ等の茶の監修・執筆業など多岐にわたり活動後、広州へ転居、華南農業大学茶学部の聴講生となる。
帰国後、クリニックに勤務、心のケアを実動で学び、心理学・コーチングを学ぶ。中医学と茶の理論に加え、心理学とコーチングを掛け合わせた独自のメソッドで、自己治癒力を高める方法・セルフケアのアドバイスを行うと共に、体質にあった茶の選び方を提案している。悩みを明確に整理し、本当にやりたいことの目標・プロセス設定で目標達成をサポートするコーチングセッションは、自信を持って自分らしく生きていけると好評
上海医薬大学 推拿科卒業
中国労働省和社会保障部公認資格 高級茶藝師・評茶師
銀座コーチングスクール GCS認定コーチ
監修本:別冊Lightning vol.53「ペットボトルのお茶の本」 枻出版社