特製きんつば
一元屋
うっすらまとった小麦の衣の繊細さと、食感たのしい粒あんの存在感。そのコンビネーションに惹かれるからか、たまに無性にきんつばが食べたくなるのは、私だけではないはず。特にワクワク感を誘ってくれる瞬間が、半蔵門は『一元屋』さんのそれをいただくとき。
真っ白な紙の包みを開くと現れるのが、『一元屋』さんの几帳面な仕事ぶりが伝わってくるような、どこまでも端正な正方形のきんつば。2つに割ると小ぶりでキレイな大納言あんが、待ってました!とばかりに粒を並べて顔を出します。
ひと口頬張ればその味わいは意外にも軽やか。口中にひろがる優しい甘さと、それを引き立てる仄かな塩味の虜になってしまうのです。
余計なものは何も使わないシンプルさが、何ともいえない余韻の味わい深さをもたらすのでしょう。奇を衒わないまっすぐな江戸前気質を感じさせてくれる、手土産にもぴったりな逸品です。
一元屋
※掲載情報は 2018/02/16 時点のものとなります。
ワイン研究家 株式会社食レコ 代表取締役
瀬川あずさ
聖心女子大学卒業後、施工会社の秘書を務め、多くの飲食店のリーシングや施工業務に携わる。その後、趣味が高じてワインエキスパート、日本酒利酒師の資格を取得。記者・ライター業、飲食コンサルティング業、ワイン講師など食やワインにまつわる仕事に精を出す。2014年、食に特化したリレーションサービスを提供する 株式会社食レコの代表取締役に就任。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」新宿校の主幹講師も務め、食やワインを通じた豊かなライフスタイルを発信している。