一休寺、京の土
亀末廣 京都市中京区姉小路通烏丸東入ル 075-221-5110
華やかな「京のよすが」という半生干菓子の詰め合わせで知られる亀末廣さんですが、実はそれ以外にも特筆もののお菓子がいろいろ。中でもこの「一休寺」は渋い見た目でひっそりと並んでいるので、なかなか注目を集めることがありません。京都の干菓子には大徳寺納豆を加えたものがたくさんありますが、こちらは大徳寺さんではなく、一休寺さんの納豆(一休寺http://www.ikkyuji.org/cuisine/)。なので菓銘も「一休寺」。この塩辛い納豆をアクセントにしたお干菓子は、たいてい和三盆主体のなめらかな落雁なのですが、こちらのものは玄米を煎った粉が入っていて、なめらかに溶けていく感じとは異なり、ざらざらっと溶けていく感じが、この渋さととてもあっています。雑味のない、洗練された後味はさすがに京都ならでは。普通のこうした形の干菓子に比べると大振りですが、香ばしい風味と旨みの濃い塩辛さが相まって、するっといただけてしまいます。写真は5枚売りのパッケージ。このほかに杉箱入りがあります。
亀末廣さんにはほかにも、「京の土」という特大の麩焼きせんべいがあります。普通の麩焼きせんべいに比べるとぐっと固く、分厚く、なにより15㎝角くらいの大きさがおお!と思わせるもの。「一休寺」も「京の土」も、他とはちょっと異なるおいしさの方向性を持っていて、亀末さんらしいなぁと思うのです。
亀末廣 京都市中京区姉小路通烏丸東入ル 075-221-5110
※掲載情報は 2017/10/10 時点のものとなります。
料理家、編集者、コーディネイター
久保香菜子
高校生のころから京料理のお店で懐石料理を学び、同志社大学卒業後、辻調理師専門学校へ。調理師免許、フグ調理免許を取得。卒業後、出版社を経てフリーに。料理家として30冊を超える著書があるほか、レストラン、食品のメニュー開発、テーブルコーディネイト、編集など、料理分野さまざまなフィールドで活躍。サロン形式の料理教室も主宰している。