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ここ一番の贈り物には心を込めて注文菓子を。虎屋さんの兎饅は美味しく可愛く、気持ちを伝えられます。
私は美味しい物を贈るのも頂戴するのも大好き。心に残るお品は記録に取って、それぞれの思い出と供に大事にストックしてあります。いずれも素敵なお品ばかり、そのなかでも印象に残るものが虎屋さんの兎饅です。この兎饅は兎型の薯蕷饅頭（じょうよまんじゅう）なのですが、虎屋さんの店頭販売はなく、事前注文でのみ購入できるお饅頭なのです。
兎饅に最初に出会ったのは私の小さな祝い事があった際に尊敬する先輩から頂戴した時。見慣れた大好きな虎屋さんの包みを頂いたその時に先輩が「なっちゃんに雰囲気似ているって思って作ってもらったのよ。」と仰ったのです。えええ～？！虎屋さんで作ってもらったってどういうこと～？と不思議に尋ねたら、4日前までに注文すると作って頂けるとのことでした。きゃ～っ、そんなに前から私のために注文して用意して下さったなんて！と感激したのは言うまでもありません。
更なる感動は包みを開けて兎ちゃんたちにご対面した時！紅白の兎ちゃんが並んでいる姿の可愛らしいこと！そっと取り出すとそれぞれの兎ちゃんのお顔がなんとも愛らしいのです。特に口元を見ているとついつい頬が緩んでしまいます。そしてなんといってもお味が絶品！上質なつくね芋で作られた兎饅はつくね芋の品の良い香りがする、ふんわりむっちりした歯切れの良い生地がなんとも美味。餡は紅白に粒餡と漉し餡の2種が楽しめて、いずれも流石の虎屋さんの餡でなめらかで口溶け良く、一切の引っかかりのない澄んだ甘味。こんなに可愛いのにこんなに完成された美味しさって素敵すぎる。しかも大好きな方が私のために注文して用意して下さったお饅頭。これ以上に嬉しい贈り物ってあるでしょうか？
最高の逸品は相手を思って時間と手間を掛けて整える。これぞ贈り物の真骨頂と私は思うのです。
※掲載情報は 2017/03/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
田中伶子クッキングスクール校長
中村奈津子
日本女子大学食物学科卒業後、全日本司厨士協会に就職。ニューヨークのニュースクール、フィレンツェのラ・フォールアカデミー、香港鴻星料理学院で学ぶ。2006年ニューヨーク駐在時より料理教室「LOVELY TABLE NEW YORK」を主宰。2009年帰国後、実家田中伶子クッキングスクールに勤務。2012年「LOVELY TABLE GINZA」開校。現在もニューヨークを行き来する活動をしている。
PHP研究所発行月刊誌「JAPAN CLOSE-UP」に料理記事連載。光文社「VERY」「女性自身」などに寄稿。ＢＳフジ阿川佐和子氏の「阿川ごはん」レギュラー出演。日本テレビ「ＺＩＰ！」定期出演中。
主婦と生活社発行「一生作り続けたいおかず～５０年の名門料理教室のベストレシピ１５０」が2014年本屋レシピ本大賞4位入賞。2014年9月講談社発行「本当に作りたい料理、ぜんぶ。」好評発売中。
