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代表銘菓 柿羊羹
秋も深まる頃に食べたくなる滋味溢れる伝統銘菓「つちや」の柿羊羹のご紹介です。
柿羊羹は四代目右助という人が天保九年(1838年)に、堂上蜂屋柿の濃密な甘味に注目して、これを羊羹の材料として利用する事に成功して創製しました。
竹の容器が使われるようになったのは、「竹と柿は相性が良いから」との親友の竹の研究家のお勧めだったそうです。最初は竹筒に柿羊羹を流し込み、竹に彫刻をほどこし、一輪挿しと再生利用できる凝ったものをつくっていましたが、筒は中身が取り出しにくく、結局お茶受けに出されたお客の一人が、箸でつついても中味が出ぬことに腹を立て「出て来ぬ羊羹が何になる!」と石に投げつけたところ、真っ二つに割れ、それで今の半割竹の容器が出来たと言われています。
11月頃、きれいに色づいた柿を収穫し、皮をひとつひとつ剥ぎ、天日干しします。十日ほどして刷毛でみがくと、干柿特有の甘さの成分である果糖の白い粉が出るそうです。こうして出来た干柿の種を抜き、擂り潰してジャム状にし、砂糖と寒天を煮詰めたものを混ぜ合わせ、竹の器(孟宗竹)に流し込み仕上げます。原料に干柿を使うのは、甘味が濃く、繊維が少ないから。甘柿ではどんなに甘い品種でも、水っぽくて、トロリとした甘味が出ず、それでは羊羹にならないのだそうです。
長い間、老若男女を問わず皆様から愛されるシンプルながらも深い味わいこそが、伝統の銘菓と言われる所以でしょう。
機会があれば、せひ、ご賞味下さいませ。
※掲載情報は 2016/11/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理研究家・テーブルコーディネーター
磯部作喜子
英語教師を経て食の世界へ。「ル・コルドン・ブルー」にてパン・洋菓子ディプロム取得。今田美奈子製菓コース師範・テーブルセッティングディプロマ取得。花・芸術文化協会テーブルコーディネートディプロマ取得。同認定校。世田谷のブーランジェリー「シニフィアン・シニフィエ」で研修。志賀勝栄氏にパン作りを学ぶ。現在は東京と名古屋で料理・パン・テーブルコーディネートの教室「ル・サロン・ブラン」を主宰。毎月100席以上の講座をこなし、現在までのべ9000人の生徒におもてなしの極意を伝えてきた。「おもてなしの心は食卓を飾るすべてに宿る」というコンセプトのもと、料理・パン・コーディネートなど食に関する内容をトータルに楽しく学べるサロンを目指す。予約待ちの教室をかかえる一方で、各企業とのコラボレート、料理教室や食卓芸術の外部講師としても活躍中。女性誌やライフスタイル誌を始めメディア取材も多い。著書「ル・サロン・ブランの本格パン」(主婦と生活社)「Le Salon Blanc ランチタイムのおもてなし」(ハースト婦人画報社)アメブロ:http://s.ameblo.jp/salon-blanc/