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サクサクのパイ生地に包まれたこだわりの栗。35年愛され続ける秋の味覚マロンパイ
福岡市の閑静な住宅地にあるフランス菓子16区。ダックワーズ発祥のお店として有名ですが、16区開店以来35年にわたって秋の風物詩として親しまれている「マロンパイ」。私も子供の頃から大好きで、この季節になるとこのマロンパイが恋しくなります。
素材の栗は味と形にこだわり、熊本県の契約農園のものを使用。毎年オーナーシェフの三嶋氏がスタッフと共に栗の出来具合を農園まで確かめに行かれているそうです。
その厳選された栗は、風味を逃さないよう渋皮ごと炊き上げられ、栗のクリームと共にパイ生地で包まれています。サクサクのパイ生地と栗の柔らかい食感が奏でる絶妙なハーモニー。パイ生地は軽やかで、中の栗も甘過ぎず、いくつでも食べてしまえるくらいです。オーブンで軽く温めるとより一層美味しいです。
このマロンパイは1日に平均2,000~3,000個焼かれていて、作り置きはせず常に新鮮なものを提供されています。お店を訪れた際もマロンパイが焼き上がるのを待つお客様で賑わっていました。
三嶋氏は店舗展開をせず、自分の作ったものは自分の目の届く範囲で売り、鮮度を一番大切にするというポリシーを貫かれていて、長年福岡で愛され続けています。
三嶋氏の代表作であるダックワーズは、日本全国だけでなくフランスでも作られるようになり、昨年秋に受章された「黄綬褒章」のきっかけとなったお菓子なので、こちらも味わっていただきたいです。
※掲載情報は 2016/11/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理研究家
石松利佳子
「身体の中から美しく」をコンセプトに、マクロビオティック×薬膳×スーパーフードを融合させた植物性100%の料理教室「Salon de R」を主宰。
病気をきっかけに食事を見直し、“身体は自分が食べた物でできている”と実感。外食は楽しみつつも自宅での食事をマクロビオティックに変えて身体が元気になったことから、「食と健康」について興味を持つ。その後は、中国の医学理論に基づいた薬膳を学び、季節や体質、心と身体のつながりなど、その人の状態によって食べるべきものが変わることを知り、料理教室だけでなく薬膳の理論が学べる資格取得講座をスタート。
その他、ワインスクールや短大での講師、豆腐マイスター認定講座、WEB・雑誌にてコラム執筆やレシピ紹介、企業へのレシピ提供や商品開発なども手掛ける。