果実分たっぷり!クロアチア・ディダボーザ社のイチジクジャム

果実分たっぷり!クロアチア・ディダボーザ社のイチジクジャム

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濃厚で自然な甘み

日本セルビア協会の視察団の一員としてセルビアと、クロアチアに行ってきました。バルカン半島にある両国は、1918年から1990年代まで南スラブ系民族を主体としたユーゴスラビアというひとつの国でしたが、同じキリスト教徒でも、ロシアとのつながりが強く、正教会の信者が多いセルビアと、文化的にイタリアやオーストリアに近く、カトリック信者の多いクロアチアでは、人の気質も違うことを実感してきました。

 

しかしながら食べ物に関しては、ユーゴ時代に影響し合ったためか、今でも両国で似通ったところがあるようです。市場で売られている食材を見れば一目瞭然で、この秋の時期は、どちらの国でもアイバルというバルカンの調味料を作るパプリカや、漬物(ザワークラウト)を作るキャベツが山積みされていました。

 

市場の定番商品としては、乾燥イチジクも一般的です。イチジクのことをセルビア語、クロアチア語とも「スモクヴァ」というのですが、乾燥させたこのスモクヴァが、やわらかく、瑞々しくてとてもおいしいのです。日本で手に入るものでは、ギリシャ産に近い感じだと思います。不老長寿の果物などとも呼ばれるイチジクが、1年を通して、こんなに身近で安く売られているのがうらやましい限りでした。

 

さて、セルビアやクロアチア産の乾燥イチジクは、海外に輸出するほど大量生産されていないのか、残念ながら今は日本では手に入れにくいようですが、ジャムなどの加工品なら購入が可能。中でもオーガニック製品としてヨーロッパやアメリカでも評価されている、クロアチアのディダボーザ社のイチジクジャムは、果実分が80%近く含まれたフルーティーな一品です。

 

このジャムは、生ではなく乾燥イチジクから作られており、濃厚で自然な甘みを味わえることが特徴的。パンに塗っても、ヨーグルトなどにかけてもおいしくいただけます。バルカン半島のイチジクのおいしさを少しでも知っていただけたら幸いです。

果実分たっぷり!クロアチア・ディダボーザ社のイチジクジャム

※掲載情報は 2016/10/19 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青木ゆり子

各国・郷土料理研究家

青木ゆり子

雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。

地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。

「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。

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