この一店舗でしか買えない!東京の老舗「九段一口坂 さかぐち」のおかき・あられ

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この一店舗でしか買えない!東京の老舗「九段一口坂 さかぐち」のおかき・あられ

飛行機に乗り離陸してしばらくすると、飲み物サービスがはじまります。大のビール党の私は、当然ビールなのです。そして、ピーナッツなどが少し付きますが、これが大いに不満なのです。それは、量も少なく、あまり好みじゃないものが出て来たりするので、ある時から考えました。それは、自分の好みのビールの友を用意することです。色々な”あられ”を買ってきてカスタマイズブレンドして、小さな保存袋に入れて機内に持ち込み、ビールを飲んでいたのです。

 

一度、シチリアへ旅行に行った時は、友人夫妻と空港で待ち合わせし、予約しているホテルに行った折のことです。何とホテルの予約が入っておらず、夜のパレルモを彷徨う次第になり、やっとホテルに到着したのはもう、深夜近くでした。夕食は何も食べておらず、開いているホテルのバーでビールだけを頼んで、持参のあられを食べて飢えを凌ぎました。

 

また、自分で食べるだけではなく、海外の友人へのお土産としても、”あられ”は人気なのです。そのシチリアを廻ったのは、フィレンツェ在住の友人夫婦とうちの夫婦の4人のレンタカーで約1週間の旅程でした。パレルモからアグリジェントを経てラグーザ、シラクーザ、メッシーナへ行きカターニアの空港からミラノ経由で日本へ帰るという島巡りでした。目的はシチリア料理を食べ回ることで、昼夜と相当なレストランを巡りました。

 

移動時間が長いので、私は朝ホテルで持参した湯沸かし器で湯を沸かし、日本茶を魔法瓶に入れて車内でお茶のサービスをする係をしました。「えぇ、本日の車内サービスを開始いたします」と言いながら、紙コップにお茶を入れて、その茶菓子として、あられも添えていたのです。シチリア料理は美味しいのですが、毎日昼夜食べていると段々日本の味が欲しくなってきます。醤油の香ばしい香りの”あられ”は胃袋を復活させるのでした。

 

噴火していたエトナ山を観ながら”あられ”を食べるのは、乙な味でした。”あられ”と書きましたが、”かきもち”や”せんべい”とはどう違うのでしょうか。

 

まず、”かきもち”はもち米、そして”せんべい”はうるち米が原料で、”かきもち”のうち小さく細かい物を「あられ」と呼ぶのだそうです。”かきもち”は「欠餅」という字を当てて”おかき(御欠)”になるのですが、餅を小さく切る(欠き)という意味があります。小粒なものをあられと呼ぶのですが、この辺の呼称には厳密なルールはないそうです。これは、以前日本おかきせんべいソムリエ協会(略称JOSA)の田澤秀樹理事長から聞いた話です。一度このおかきやせんべいの歴史を勉強してみたいものです。

 

こんな、かきもち、あられ好きな私がお薦めするのは、東京のさくらの名所、千鳥ケ淵や靖国神社のお膝元に位置する、あられ・かきもちの専門店「さかぐち」です。思えば「さかぐち」のかきもち、あられはもう35年来食べ続けているのです。この近所に出版社があるのですが、必ず”仕事が無くなる時”は担当者が「さかぐち」の詰め合せ缶を持ってくるのです。ある意味、私にとっては不吉なお土産(笑)なのですが、これが美味しいのです。

この一店舗でしか買えない!東京の老舗「九段一口坂 さかぐち」のおかき・あられ
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冒頭のシチリア旅行にも持参したのが、「さかぐち」なのです。パッケージの絵と図案は染色工芸家の第一人者だった芹澤銈介(せりざわ けいすけ)で、この包装を見るだけでも価値はあるのです。店内には常に50~60種類のあられ・かきもちが勢揃いして、形、大きさ、味わいはみんなそれぞれお好みの品を詰め合わせてくれるのです。この「さかぐち」は百貨店をはじめ色々な所から出店の要請があるのですが、頑なに一口坂のみで販売しているのです(通販はあります)。

この一店舗でしか買えない!東京の老舗「九段一口坂 さかぐち」のおかき・あられ

今回は、色々な味のあられ十数類の詰め合わせの「一口あられ・京にしき」をご紹介でした。一店主義でここでしか買うことができないということを売りにしている「さかぐち」は、かきもちもせんべいも鮮度が大切なので、他へ出店すると、どうしてもその鮮度管理がむずかしくなるからとのこと。現在、「さかぐち」では早く食べていただくために賞味期限2ヶ月として販売しているそうですが、賞味期限表示が義務付けられる前は、すべての商品に連番をつけて管理をしていたとのことで、もしお客様からクレームが来た場合でも、その番号を聞くことで、いつ製造し販売するかがわかるように管理をしていたそうです。

※掲載情報は 2016/10/21 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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