辛口が主流の日本酒大国・新潟でも稀有な存在の甘口、魚沼酒造「天神囃子」

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十日町市の山際で、新潟県酒造米を信濃川の伏流水で仕込む

辛口が主流の日本酒大国・新潟でも稀有な存在の甘口、魚沼酒造「天神囃子」

僕が日本酒好きな理由は、もしかしたら父親が新潟県の出身だからかもしれません。ご存知、日本有数のコメ処ゆえ、古くから日本酒の製造も盛ん。ずいぶん前になりますが、一大ブームを巻き起こした「越乃寒梅」、そして「久保田(千寿、万寿)」など。地元では「八海山」や「吉乃川」なども人気です。ですが、これら、というか新潟の日本酒をけん引してきたタイプって、辛口なんですね。でも、今の時代は真逆の甘口というかフルーティーなタイプが大評判。実は僕も日本酒は甘口派です。というわけで新潟人のDNAが流れる僕がイマドキの新潟のイチオシをご紹介。

 

それが「天神囃子」です。十日町市の魚沼酒造の作品。魚沼酒造といえば、十日町市郊外の山際に位置し、主に新潟県の酒造米を信濃川の伏流水で仕込んだ、辛口の多い新潟県では異色ともいえる甘口にこだわる酒蔵として知られています。「天神囃子」はメインブランドで大吟醸から普通酒までラインナップ。もともと天神囃子はこの地方の祝い唄で、その名を冠したことからわかるとおり、祝い酒という立ち位置だったりします。

新潟米で精米歩合も55%と、こだわりの特別純米生原酒

辛口が主流の日本酒大国・新潟でも稀有な存在の甘口、魚沼酒造「天神囃子」

僕が好んでいただくのが特別純米酒クラスで、中でも特別純米生原酒しぼりたて、は絶品!生原酒なので17度と、ちょっとアルコール度高めなので、ロックでもイケますし、しぼりたてなのでフレッシュ感がまさに香り立ちます。しかもまろやかな甘口でお米にもこだわっていて新潟米を使用。さらに、特別純米酒だと精米歩合が60%なところが多いのですが、これは55%で、その分だけ磨かれていて洗練された味わいなのです。そんな蔵元の真剣さが出た作品です。

※掲載情報は 2016/10/14 時点のものとなります。

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キュレーター情報

はんつ遠藤

フードジャーナリスト

はんつ遠藤

東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。

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