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地下から汲み上げた白州の名水から生まれた甘酒
先日、山梨県の白州にキャンプに二泊三日で行って来ました。キャンプの帰り道に山梨の老舗の蔵元、七賢に立ち寄って来ました。七賢は、江戸時代の1750年に白州の水の良さに惚れ込んで酒造業を始めました。
日本酒を造るのに重要なのは、水です。白州の水は有名で、近くを流れる尾白川は、昭和60年に日本の名水百選に指定されました。七賢が日本酒製造に使う仕込み水は、標高2900メートルに及ぶ甲斐駒ヶ岳の伏流水を地下から汲み上げています。山に降った雨や雪解け水が、地中深くにしみ込み、長い年月をかけ何層もの花崗岩がフィルターとなり濾過され、なめらかで透明感のある美味しい水へと変わります。みずみずしくて潤いがある地酒が造られる秘訣には、この白州の水があったのです。
日本酒を造る過程で、醪(もろみ)を搾ると日本酒と酒粕に分かれます。酒粕は、米が酵素や酵母によって発酵し、形を変えたものです。七賢では、その酒粕を使った甘酒「造り酒屋のあまざけ」を造っています。
この甘酒が、絶品です。七賢の甘酒は酒粕をとても細かく分離させているため、通常の甘酒に比べ舌触りも良く、とてもまろやかです。夏に冷やして飲むと、程よく甘くてちょうど良い甘さです。ちょうど一杯分の大きさの容器に入っているサイズもあるので、冷蔵庫に冷やして、そのまま召し上がれます。
甘酒は、最近では夏バテ防止になると見直されています。冬は温めて飲みますが、夏の暑い時期に冷蔵庫で冷やして飲むのはまた格別です。甘酒の原料となる酒粕には、たんぱく質、ビタミンB、食物繊維が多く含まれている為に、疲労回復にも効果があるそうです。
また、酒粕には最近注目の健康成分レジスタントプロテインが多く入っています。もともと米に入っている成分ですが、発酵することにより米よりも凝縮されます。レジスタントプロテインは、胃で消化されにくいために腸まで届きます。食品の油や脂質を吸着し、便となって排出されます。レジスタントプロテインは、生活慣習病や成人病の予防にも期待が高まっております。また、美容への効果も期待されているようです。
この七賢がある辺りは、現在は旧道となり、かつては五街道の1つ甲州街道の台ヶ原宿という宿場町として栄えた地域です。
現在はお店になっている七賢の母屋は、江戸時代(1835年)に建てられました。明治13年の明治天皇巡幸の際に、明治天皇の一夜の御所「行在所」として七賢の母屋にご宿泊されました。建物は、当時の状態をそのまま残し保存されています。歴史のある建物は、とても素敵です。平成12年に山梨県の有形文化材として指定されています。建物の中には、古酒を保存している貯蔵庫や地酒の売店や喫茶室があります。
山梨の白州に行くことがあれば、七賢に立ち寄り歴史風情のある建物を見るのも面白いと思います。近くには、古民家を改築した七賢のレストランもあります。今年は残暑が厳しいと言われていますので、夏バテ防止に「造り酒屋のあまざけ」をお土産に買われてはいかがでしょうか?
※掲載情報は 2016/08/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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