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柑橘の最高峰、せとかを使用した宝石のような「琥珀」
京都の中心である河原町四条に本店をかまえる永楽屋をごぞんじですか?いわゆる「からいもの」である京佃煮と、「あまいもの」である京菓子の専門店。創業当初である1946年より、厳選された素材と製法を貫き、こだわりぬかれた小粋な商品を発売しています。
そんな永楽屋のあまいものは「白」をテーマにした繊細で美しいものばかりなのですが、中でも私が大好きなのは、「琥珀」という夢のように麗しい名前のお菓子です。
もともと琥珀とは、数千万年から数億年前にかけて地上で繁茂していた化石化した木々の樹脂のことを言い、地上最古の芸術品とも言われています。そして、寒天と砂糖を使い、まさにその琥珀をイメージして作られた和菓子のことを「琥珀」あるいは「琥珀菓子」と呼ぶのです。
表面の薄硝子のような歯触りと内側のなめらかな舌ざわり。それらが奏でる旋律は見ても食べても何とも耽美だからこそ、ちょっとしたギフトにとてもおすすめなのですが、特に今の季節の一推しは春から初夏にかけて限られた季節のみ発売されている「せとかの雫」です。
琥珀の中に閉じ込められているのは、その名の通り雫のようにみずみずしい「せとか」の果肉。せとかは、タンゴールの「清見」と「アンコール」を掛け合せたものに、晩生の高糖タンゼロ「マーコット」を交配して2001年に登録された新しい品種で、清見のみずみずしさとアンコールの甘さ、マーコットの香りとコクがバランス良く含まれているので柑橘の最高峰とも言われています。贅沢にもせとかを琥珀の中に閉じ込めたこのお菓子は、まさに初夏限定の食べる宝石。
世界広しといえども、今の時期だけしか手に入らないレアな宝石はなかなか乙なもの。是非手に入れてみてはいかが?
※掲載情報は 2016/05/03 時点のものとなります。
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キュレーター情報
美容ライター
前田紀至子
新潮社雑誌nicolaの専属モデルや光文社雑誌JJのライター、読者モデルを経て、現在はフリーライターとしてビューティ記事を中心に、競馬、食、ファッションなど幅広く執筆中。その傍ら、テレビ東京モノイズムなどのテレビ出演も。