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創業明治43年まちのうどん屋「お多福」のだし
「お多福」は金沢市民なら知らない人はいない、金沢で100年以上の歴史がある老舗うどん屋さんです。総本店(金沢市野町)が明治43年に創業後、のれん分けをして、高度成長期には69店舗もの支店がありました。そこから店舗数は減少していったのですが、現在でも27店舗が営業しています。(金沢17、野々市2、白山5、能美2、小松1)
店舗で味が少しずつ異なり、メニューにも個性も発揮しているのがお多福の面白いところで、金沢市民は自分が贔屓にしている“Myお多福”、またはこのうどんはここがおいしい!というのがあるはず。
本店の味を再現
この出汁は、のれん分けされた会員店舗による相互組織「お多福会」によって生み出された商品で、目指した味は、各店主たちが修業をしてきた「本店の味」。総本店の直系で、暖簾分け第一号である「小橋店」の味をモデルにしています。
こだわりは地元の味というところにあり、醤油の日本五大産地のひとつでもある金沢の大野醤油を使用しています。出汁は天然素材で、かつお節、あじ節、サバ節、イワシ節のブレンドで、鮮烈な出汁の風味がアロマのように立ちのぼり鼻腔をくすぐります。
金沢らしいぽってりと奥深い甘さも特徴的で、なんだか懐かしさがこみ上げてきますよ。
親子丼やいなりうどん、天ぷらうどん、または煮物もおいしくできます。
いなりうどんは、おあげさんが出汁を吸ってくれるので、じゅわっと口の中で滲み出すのがいいですね。あげの持つ甘さと出汁の甘さがマッチングしています。
庶民の胃袋を支えてきたまちのうどん屋さんの秘伝が、家庭でも手軽に味わえてオススメです。
今日もお腹いっぱい!あすかりんでした。
※掲載情報は 2016/03/29 時点のものとなります。
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キュレーター情報
一級フードアナリスト、利酒師
雅珠香(あすかりん)
金沢を中心に年間約600軒食べ歩くフードライター、通称あすかりん。
日本フードアナリスト協会認定1級フードアナリスト、SSI認定利き酒師、日本箸教育講師、食の親善大使「食のなでしこ2013」準グランプリ
著書に「あすかりんのおいしい金沢」「あすかりんのおいしい能登めぐり」がある。
北國新聞・富山新聞朝刊「あすかりんのランチで満腹」(毎週月曜日)連載中