おでんに合うワインとは? ずばり!スィートで爽快な日本産ロゼスパークリングだ!

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おでんが恋しい季節。日本酒、焼酎、冷たいビールとどれもおいしいけど、ワインならどんなタイプがいいか、お答えしましょう

おでんに合うワインとは? ずばり!スィートで爽快な日本産ロゼスパークリングだ!

おでんの季節が来た。

 

立ち上る湯気と出汁の滲みた盛りだくさんの具材を見ただけでなんだかほっこり温かい気持ちになっちゃう。でも、おでんと一言でいっても、実は、すんごく種類があるのだ。

 

そもそもおでんとは?

 

具材を醤油や出汁で煮込んだ料理(ときに鍋料理)のことをさすが、もとは室町時代に人気をはくした「田楽」から派生した料理だ。当時は具材を串にさし煮たり焼いたりして食べていた。これが江戸時代に「煮込み田楽」と「焼き田楽」に分かれ、地方色も加わり伝承され発展していった。

 

醤油をベースに昆布や鰹節で出汁をとり色濃く煮たものは江戸、東京で発展し「関東炊き」と呼ばれている。東京のおでんで特徴的な具材は「ちくわぶ」だろう。ねっとりむっちりとした食感に出汁が滲みておいしいのだ。

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関西のおでんは昆布をベースとした淡い色合いの出汁が特徴。淡いけど深い味がポイント。クジラや牛すじ、タコが関西らしい具材だろう。おぼろ昆布をかけることもある。


B級グルメで人気が出たのは静岡おでん。イワシでつくられる黒はんぺんと削り節と青のりをかけて食べるのが特徴。

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うどん文化で知られる高松や愛媛も実はおでん文化圏。出汁はイリコが定番。うどんが来るまでに好みの具をセルフで選びこれをつまみながらうどんを待つ。特徴は、芥子味噌。甘くてピリリと刺激があるこれをつけながら頬張るおでんがたまらない。人気の具はじゃこ天とイイダコか。

 

知る人ぞ知るのは金沢おでん。柔らかい弾力のある練り物「ふかし」や「車麩」、ちょっと贅沢な「蟹面」が北陸らしい。

 

赤味噌文化の名古屋、東海地区はなんといっても「ドテ」だろう。赤黒い味噌で煮込まれた濃厚なおでん。一度ハマったら抜け出せないほど強力な個性を持つ。

意外なところでは、沖縄おでん。実はとってもポピュラーでうちなんちゅに愛される日常食だ。具材はティビチ(豚足)やソーキ(骨付きアバラ肉)。でっぷりどろりと重厚感ある脂を食べるのが沖縄おでんの特徴。

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ほかにも青森おでん、小田原おでん、富山おでんが注目度アップだろう。さらに、台湾や韓国にも「おでん」があるのがおもしろい。それに、あの伝統のフランス料理「ポット・フー」も野菜や肉を煮込む、いわばフランス風おでんといえる。

 

ちなみに、わが故郷福井はなんといっても桜の季節の足羽山で食べる「田楽」と「おでん」だ。市民の憩いの場足羽山に点在する茶屋で出される田楽は、短冊形に切られた豆腐を串にさし香ばしく焼いて木の芽味噌をつけて熱々を頬張る。おでんは三角形に切られた薄いこんにゃくを串にさし茹でたてに同じくからし味噌(粒入り)をかけてつるりと食べる。これですな。懐かしい。お花見シーズンになると市民はこぞってこれを食べたものだ。懐かしい。

 

さて、お酒。

 

おでんには日本酒。それもお燗酒が定番。これは江戸の昔からの決まり事でもある。当時ファーストフードの代表だったおでん屋台の暖簾には「おでん かんざけ」と書かれていたほど。

 

西日本のおでんなら焼酎お湯割りだろう。全国制覇をしているコンビニおでんなら、ビールか発泡酒がお似合いだね。

 

しかーし。ここではワインを考えてみたい。

 

おでんに合うワインはいったいどんなタイプだろう。検証してみましたよ、実際に。答えはずばり「甘口かやや甘口のロゼ、それもスパークリングワインがベスト」なのである。


理由は消去法で説明できる。

 

白ワインの酸味やフルーティさは、おでんの甘味やコク、濃厚な脂分とけんかする。赤ワインの渋味は、おでんの繊細さを壊してしますう。白でも赤でも辛口は、おでんの具材の苦味を強調してしまう。

 

つまりおでんと合わせるならば、甘口もしくはやや甘口じゃないと美味しく感じないのだ。さらに、白ほど軽くなく赤ほど重くなく、ちょうどいいのはその白と赤の両方の良さを併せ持つロゼがちょうどいいということになる。

 

さらにさらに、スパークリングであればその軽快な泡が口中を洗いがなしてくれ、ビールのような爽快さをプラスしてくれるというわけ。

 

では、おすすめの商品は何か。これまたズバリ、日本産のロゼ・スパークリング。

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たとえば宮崎県都農ワイナリーの「キャンベル・アーリー」をお勧めしよう。やさしい甘さがあり、おだやかな酸味、爽快な泡がおでんにぴったり。お手頃価格もおでんとの組み合わせに無理がない。いくらおいしいとはいえ高級なロゼ・シャンパーニュは場違いというものだ。また、日本産は比較的酸味が穏やかで日本料理にも合わせやすい。

 

美しい色合いも楽しめるし、女性にも受けがいい。スパークリングのグラスがなければ、脚なしのグラスやコップでもOK。気取らず楽しめるのもなによりおすすめポイント。

 

おでんに合うワインとは? ずばり!スィートで爽快な日本産ロゼスパークリングだ!

おでんと酒というとなんだか親父臭い気もするけど、好みの具材を持ち寄って、ワイン片手に集まる「おでんパーティ」、略して「でんパー」(聞いたことないが)をやってみよう。みんなでワイワイ楽しめて意外に新しい。具を選べば実はダイエットにもいいおでん。案外今年の流行になったりして。

※掲載情報は 2016/01/19 時点のものとなります。

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キュレーター情報

友田晶子

トータル飲料コンサルタント/ソムリエ

友田晶子

米どころ酒どころ福井県に生まれ。ソムリエとして酒類業界に携わり、ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルと幅広く取り扱う。業界25年のキャリアと女性らしい感性を活かし、一般向け・プロセミナー、飲食関連イベントの企画・開催、PR事業アドバイス、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティング、観光PR支援等を行っている。各種専門家がガイドを務める人気のインターネット検索サイトAll Abouの日本酒・焼酎・ワインガイド。「わかりやすい説明」には定評がある。公式HP内で連載中の「おいしいラク学講座」では、日本酒や焼酎、ワインやビールやスイーツ、チーズにまつわる役立つコラムとおつまみレシピなどを常時更新中。田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」(銀座)代表。「シュヴァリエ・ド・タスト・フロマージュ」(フランスチーズ鑑定騎士団)。 日本料飲ビジネス研究会会長/東京芸術学舎 非常勤講師/ふくい食のアンバサダー・福井ブランド大使/球磨焼酎大使/著書「世界に誇る国酒~日本酒~」が、グルマン世界料理本大賞グランプリ受賞!/日本ロシアフォーラム2014「食と農」パネリスト

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