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華やかさを食卓に添える「フラワーウォーター」
無色透明でフローラルな香りが特徴的な「フラワーウォーター」。チュニジアでは、日常的にこのフラワーウォーターがスイーツやコーヒーに使われます。チュニジアでは伝統的に、花が咲く春になると、花のエキスパートが市場で花や植物を買い求め「カター」と呼ばれる機器で花やハーブなどの植物を水蒸気に当て、精油成分を気化させ、その後冷やします。そうする事によって、脂溶性の部分と水溶性の部分に分離します。その水溶性の部分が、フラワーウォーターとなるのです。
チュニジアで好まれる4種類のフラワーウォーター
フラワーウォーターは数多くのフレーバーがありますが、チュニジアでは主に4種類のフラワーウォーターが好んで使われます。ビターオレンジの木の花で作られる「ネロリウォーター」、ネスリと呼ばれるホワイトローズから作られ苦味がある「エグランティンウォーター」、ピンク色の美しい花を咲かせるゼラニウムから作られマイルドな「ゼラニウムウォーター」、そしてローズから作られる甘い「ローズウォーター」です。それぞれスイーツの味によって使い分けられます。伝統的なスイーツには、「エグランティンウォーター」がよく使われます。
フラワーウォーターに合うチュニジアの伝統スイーツ
【マクルード】
甘いなつめやしの実のデーツをペースト状にして生地に挟んで揚げた伝統菓子。
【裁判官の耳(ウェドニン・エル・カディ)】
卵と小麦粉からできた生地を、薄く伸ばして揚げフラワーウォーターが入ったシロップをかけた伝統菓子です。 裁判官が人々の訴えをよく聞いてくれるからということ事から、裁判官の耳と名づけられました。
【サムサ】
生地の間に刻んだヘーゼルナッツ、アーモンドなどをはさみ、焼き上げてからロースウォーターの入った濃いシロップをかけ、トップにピスタチオを飾ったお菓子。
【甘いクスクス】(マスフーフ)
ラマダン月に毎日断食が始まる前によく食べられる甘いクスクスです。ミルクを入れてコーンフレークのように食べられる事もあります。
このようなチュニジアの伝統スイーツに、フラワーウォーターが香りづけとして使用されます。チュニジアのスイーツに限らず、日本にあるスイーツや飲み物にもフラワーウォーターを入れて華やかな気分を味わってみるのも楽しいかもしれませんね。
※掲載情報は 2016/01/04 時点のものとなります。
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キュレーター情報
チュニジア大使館
チュニジア共和国はアフリカ大陸に位置し、北と東は地中海に面しています。首都はチェニスでアラビア語が公用語ですが、フランスの影響が強く、フランス語も広く普及しています。歴史的には、地中海貿易で繁栄したカルタゴやカルタゴの武将ハンニバルが有名です。地形的には南北に細長く、地中海に面する北の地域は自然を南の地域は砂漠を楽しめます。代表的なチュニジア料理はクスクス、ブリックなどが有名で、トマトやチーズを多く使うなど隣国のイタリア料理の影響も受けています。オリーブオイルの輸出量が世界5位で、ほとんどの料理にオリーブオイルを使用します。沿岸地域では新鮮な魚料理も味わえます。スイーツは乾燥したなつめやし(デーツ)をつかったものが多く、さまざまな種類のお菓子が楽しめます。