モロッコ王国大使館全権公使夫人が語る。3日間続くモロッコの結婚式とは!?

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門出に備えて身を清める1日目

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モロッコの結婚式は、3日間かけて行われるのをご存知ですか? 1日目は新郎新婦それぞれの親戚で祝い、2日目は両家が集って祝い、3日目は友人やご近所の人たちも迎えて盛大に祝います。今回は、そんなモロッコならではの結婚の風習をご紹介します。 1日目、花嫁はお風呂に入って身を清め、香水を身に纏います。この日は親族が集まって身内で祝います。歌を歌い、たくさんの料理を用意します。特徴的なのは、この日食べる伝統料理の「タジン」には野菜を使わず、肉にアーモンドなどの木の実、レモンやプルーンなどの果物を組み合わせた料理をいただきます。2日目になると、初日に来られなかった親戚も集まって盛大に祝います。前日に身を清めた花嫁はこの日、ヘナという植物の染料で手足に模様を描き、緑色の衣裳を身に纏います。緑は「希望」を表す色とされていて、祝宴のテーブルコーディネート、料理の中にも「緑のオリーブ」が出されるなど、いたるところに緑を使います。料理も華やかになり、日本でも話題の「レモンコンフィ(塩レモン)」など用いたお祝い事には欠かせないオーブン料理の「バステラ」や「チキン」などをいただきます。

正式な結婚の誓約を交わす2日目

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2日目になると、初日よりも規模の大きなお祝いになることをお伝えしましたが、「結婚の誓約」もこの日に行われます。3日目の宴のクライマックスで、ケーキカットなど現代的な演出を取り入れることもありますが、正式な結婚の誓約は2日目に行われます。新郎がアラブ文字で書いた誓約書を持参し、新婦がそれを承認する合図として「アーーー」と、独特の高い声を発した後でサインをします。

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身体にヘナのアートを施すのはこの後で、ヘナは幸福と豊かさの象徴と言われています。新郎も結婚の喜びを表して、手の平にヘナを施します。ところで、モロッコでは昔から、男性から女性へ必ず「金」の何かを贈る風習があります。それは小さなものでもよくて、指輪やネックレスなど身につけられる装飾品であることがほとんどです。

100人規模が当たり前。夜通し祝う3日目

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いよいよ3日目、この日が最も盛大な祝いの日となります。両家が集い、遠方からもたくさんの人たちが駆けつけ、友人、周辺に住む人たちも加わり、おまつりのような賑やかな雰囲気となります。素晴らしい刺繍や細工の施された布などを使い、会場内も華やかに飾り付けられます。私の出身地方では200〜300人集まるのが一般的なので、それだけの人数を収容できる大きな会場を1年前から予約することもあります。そして、花嫁はこの日のために7種類の衣裳を用意し、お披露目します。これは、モロッコでは住む地方によって異なる7つの風習があるため、それぞれの地方ごとの伝統的な衣裳を着て、花嫁はこの日のために7種類のそれぞれの地方の伝統的な衣裳を用意し、お披露目します。

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そして、その地方の音楽に合わせて踊り、すべての地方出身のゲストをおもてなしするのです。この祝宴は朝まで夜通しで続き、新郎新婦の退場によって幕を下ろします。新郎新婦は、ハネムーンに出発する為に退場して宴は幕を下ろします。

モロッコ直輸入 レモン塩漬

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モロッコの料理に使用される、日本でも人気の塩レモン。モロッコの結婚式などにも欠かせない食材です。小ぶりで、果皮が薄く、香りが大変よい品種(モロッコ産)のレモンを使用しています。タジン料理(モロッコ風鶏煮込み)の他に魚やチキンのグリルや煮込みなど。細かく刻んでオリーブオイルとともにサラダのドレッシングにもお勧めです。

※掲載情報は 2015/01/28 時点のものとなります。

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モロッコ王国大使館

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モロッコはアフリカ大陸北西部に位置し、紀元前から欧州・アフリカ各地との交流が盛んな国です。地中海と大西洋に面した長い海岸線、平野・山岳地帯・砂漠という多様な地形と気候に恵まれ、歴史と共に食文化が育まれてきました。日本でも人気のあるタジン(=鍋)はモロッコ発祥。国内で産出される豊富な食材を様々な組み合わせで調理します。また、オリーブオイルをふんだんに使ったモロッコ料理はユネスコの世界文化遺産に登録されています。日常的にお茶を飲むという習慣も日本とよく似ていて、日本人には親しみやすいモロッコの食文化。実際にモロッコを訪れて味わっていただきたいと願っています。

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