10年来、欠かしたことのない福光屋さんの『福みりん』

10年来、欠かしたことのない福光屋さんの『福みりん』

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味の決め手になる本当においしいみりんを探してたどり着いた、私の定番。

みりん、使っていますか?

 

実は、日常的に使うエリアは少なく、実はわが愛しの九州もあまり使いません。関東(というか江戸)、中部、北陸、関西、中国地方あたりが主なみりんLOVEエリア。

 

いつも、ここでご紹介しているていねいに伝統を引き継いで作られている調味料はいずれも絶滅危惧種ですが、中でもみりんがいちばん危機的なんではないかな?と思っています。


で……みりん、使っていますか?

 

みりんは甘みを足す、と思われていますが、ただ甘いだけでなく、味わいに深みがでます。独特のコク、うまみ、香りがあります。照りをだすだけでなく、煮崩れさせない効果や、臭みを消す効果も。煮ものの出来上がりに大きな差が出る、キーマンです。家庭で、今日から煮物を美味しくしたいと思ったら、おいしいみりんを投入するのが手っ取り早い、ホントに。

 

和食を支える調味料は主に醤油、味噌といった発酵調味料ですが、みりんは発酵していない醸造調味料。原料は蒸したもち米、米麹、焼酎もしくはアルコールを、40日~60日間かけて糖化させ、 熟成させたものです。2年、3年と熟成させたものもあります。元々は甘いお酒として楽しまれていたようで、アルコール度数も12%~14%くらいはあります。(ちなみに、みりん風調味料はアルコール分が入っていないものがほとんどです。)その原料と製造方法から、造り酒屋さんが醸造しているケースがほとんどです。

 

ご紹介する『三年熟成純米本味醂 福みりん』と『福みりん』も、加賀鳶や福正宗で知られる金沢の造り酒屋、福光屋さんの逸品。東京ミッドタウンや玉川高島屋のアンテナショップに行かれたことがある方も多いかと思います。

 

私の教室では、4種類くらいのみりんを味見して頂きますが、1番人気になることも多い、愛されみりんです。地元石川県産の米を原料に、福光屋さんの米焼酎で仕込んだもの。安心できる上に、そのコクと深み、香りは、このまま飲みたいという声があがるほど。そう、みりんこそ、飲んでみて、おいしい、好き、とおもうものを使って下さい。

 

1年熟成の、いわばセカンドライン(と私は呼んでいる)福みりんも、普段使いにとても重宝します。自分で作るMYめんつゆも、このみりんで味がぐっとバージョンアップします。

 

◆MYめんつゆのつくりかた
昆布とかつおのいちばんだし:カップ1
好きな醤油:50cc
福みりん:60cc

※すべて合わせて鍋に入れて、中火にかけ、ふつふつと沸いてきたら火を止めてそのまま冷ます。冷蔵庫で2週間ほど、冷凍で1カ月保存可能。

 

基本は、だし4:醤油1:みりん1ですが、私は、少しみりん多めにしています。

※掲載情報は 2016/01/26 時点のものとなります。

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キュレーター情報

山脇りこ

料理家

山脇りこ

主宰する代官山の料理教室リコズキッチンや、雑誌や書籍を通じて、和食をベースに現代のモダンなエッセンスを加えた家庭料理を、“作る楽しみ”を大切に、日々提案している。食材から味をひきだし、調味料は基本のものを最小限に、ひと手間は惜しまず、調理はシンプルに、という引き算の料理が得意。全国の伝統的な製法を守る醤油・酢などの蔵をまわり『調味料の教室』やWEBで紹介、発信。ライフワークとして『だしの教室』も続けている。農林水産省の 「 和食の保護・継承に向けた検討会 」 委員(平成27年)。料理本のアカデミー賞と言われるグルマン世界料理本大賞2014でグランプリ受賞。 『かけこみおだし塾』(講談社/日本図書館協会選定図書) 『かる塩・かる糖料理帖』(小学館) 『ていねいに仕込んで食べる 1週間のつくりおき』(ぴあ)など著書多数。アメリカを中心に『Banzai Banquets: Party Dishes that Pack a Punch』(Vertical社/講談社刊のおもてなし本の英訳)も刊行されている。

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