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山なれば富士、白酒なれば豊島屋と詠われた江戸の草分け
3月3日は桃の節句。桃の節句といえば、雛人形、桃の花、ひし餅、ひなあられなどがありますが、我が家で欠かせないのは、白酒(しろざけ)。
体から邪気を祓うために飲むともいわれる、雛祭りでお祝いのためにお供えするお酒です。
定番は、創業慶長元年(1596年)、400年以上の歴史をもつ東京の老舗酒舗「豊島屋」の江戸時代から変わらぬ製法「石臼挽」でつくられている一品。
豊島屋は、『東海道中膝栗毛』や歌舞伎『助六』にも登場し、『江戸名所図会』『白酒売り出し図』には江戸時代の白酒販売時の賑わいの様子が描かれています。
豊島屋の白酒は、蒸したもち米に麹を入れて、味醂の中に仕込んでできたもろみを石臼で細かくひいて、とろみをつけてつくられます。昔ながらの製法にこだわり、年に一回のみ仕込む、自然なやわらかな甘みが特徴のお米のリキュールです。
白酒は甘酒とは異なり、アルコール分を含んでいるので、お子様用には、牛乳やお水でわって薄めたものを。大人も冷やして飲む他、凍らせてシャーベット状にしたものをデザートやお口直しとして味わうのもおすすめです。
江戸時代から伝わる元祖・白酒、その歴史・文化を感じつつ、じっくり味わってみませんか。
白酒
http://www.toshimaya.co.jp/category/products/sake/shirozake/
※掲載情報は 2016/03/01 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本文化の伝道師/JTCL代表取締役
神森真理子
ジャパントラディショナルカルチャーラボ株式会社(JTCL)代表取締役。
慶應義塾大学卒業。パリ第三大学で文化芸術・映画ビジネス、文化政策について学び、日本文化に関わる仕事を志し、松竹株式会社に入社。 ベルギー・フランスでの生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、ジャパントラディショナルカルチャーラボ株式会社を創業。
「日本の文化を通じて人々のくらし、心をより豊かに」をミッションとし、日本文化関連の企画・コンサルティング、アニバーサリー、コンテンツ事業を展開。商品の企画開発・プロデュース、地域ブランドの創出支援、インバウンド事業なども手がける。
国内外の法人・個人向けの日本文化に関する多岐にわたる事業・企画を通じ、日本文化の魅力を発信し裾野を広げること、次世代への継承に取り組んでいる。
利酒師・ワインエキスパート・フードアナリスト1級として、食・酒関連の発信も多数。
日経ビジネス「次代を創る100人」に選出。インバウンド実務主任者。