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口に入れるとバラの香りが広がります。
つい先日、海外出張でヨーロッパに行って来ました。ヴェネツイアから入り、パリ、ロンドンの順で、美しい眼鏡を求めて12日間ほど旅してきました。途中のパリでは、いつも決まって顔を出す取引先の眼鏡屋さんがあります。高級ブティックが立ち並ぶヴァンドーム広場の近くにある「E.B.メロヴィッツ」という老舗のお店です。それこそ昔にフランス国王に頼まれて飛行機のゴーグルを作ったり、上顧客がクロード・モネだったりというので、本当の超高級店です。そこでのミーティングも無事に終わり、パリとロンドン間を結ぶ特急のユーロスターに乗ろうと駅まで急いで向かおうと思ったのですが、あることを思い出しました。「E.B.メロヴィッツ」のお店から歩いて5分もかからないところに、「とらや」のパリ店があります。時間もなかったので、持ち帰りで買ってからあとで食べようと「とらや」に立ち寄ってみました。
「とらや」のパリ店は、1980年に「和菓子を通して日本文化を紹介したい」とパリに出店し、今年の10月でちょうど35周年になるそうです。ショーウインドウをのぞくと、見るからに美味しそうなお菓子が並んでいました。
35周年を記念して作られた、新発売の「ローズ・ド・パリ」でした。パリ店のスタッフが考案したそうです。名前からして洒落ています。名前の通り、「バラ」の形をした和菓子なのです。「ローズパウダー」を使っているので、実際に食べてみると「バラ」の香りが口の中に広がります。
「とらや」の主菓子はボリュームを感じる昔ながらの大きさですが、甘さは控えめで繊細で上品な仕上がりになっているので最後の一口まで美味しくいただけます。中には「白あん」がはいっていて、日本茶にはもちろん合いますが、紅茶にも合うと思います。これなら、きっとパリジェンヌも喜ぶはずです。
「パリ」と「バラ」の響きは、昔から相性が良いように思います。なんと言っても思い浮かべてしまうのは、フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの「La Vie en rose (バラ色の人生)」です。パリで見ると、和菓子がなんだかロマンチックに見えてきます。
「パリ」とは関係ないですが、「酒とバラの日々」という映画と歌もあります。日々の生活の中に「バラ」という言葉が入って来るような人生なんて、僕の人生とはかけ離れていますが、もしかすると心の奥底では昔から「バラ」が入って来るような人生に恥ずかしながら憧れているような気もします。僕にとって今回の出張は、「酒とバラの日々」ならぬ、ほとんど「酒と眼鏡の日々」でした。そんな出張中にふと目に止まったのが、「とらや」の「ローズ・ド・パリ」でした。日々の生活の中で、「バラ」を感じる「ゆとり」は必要なのかもしれません。
この「ローズ・ド・パリ」は、日本でも10月末まで期間限定で「とらや」の一部のお店で購入出来るそうです。バラの香りのする「ローズ・ド・パリ」を食べつつ、ぜひ「バラ色の人生」を感じる「ひととき」を過ごしてはいかがでしょうか？
とらやパリ35周年祭については下記のサイト詳しく情報が載っています。
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/news/detail/?nid=68
※掲載情報は 2015/10/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc（ブリンク）」、2008年には表参道に「blinc vase（ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの１つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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ブリンク
〒107-0062東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
Tel 03-5775-7525
ブリンク・ベース
〒107-0061東京都港区北青山3-5-16 1F
Tel 03-3401-2835
