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時間を掛けた一番搾りオイル
これはニュージーランドから輸入されている「オリバード」のエキストラバージン・アボカドオイルであります。アボカドから皮と種を取り除き、果肉だけを低温加熱(48度以下)でじっくり搾って作るからエキストラバージンの称号が与えられている。この1瓶(250ml)を作るのにアボカドが20個から25個も必要なのだそうな。
その色合いは、とても深みのある濃い緑色で、実に美しい。マッシュルームや豆腐、モッツァレラチーズなど白い食材にかけると、はっとするほど鮮やかだ。香りには確かにアボカドっぽさがある。しかしもっと透明感があり、挽きたての木材のような新鮮さもある。それでいて、エキストラバージン・オリーブオイルと比べると主張が強くない。
ヘルシー&ビューティーである
油はうまく使えば健康に役立つし、美容にもいい。その話しでいえば、このオリバードのエキストラバージン・アボカドオイルはきわめて優等生。まず、体内脂質の酸化を防いで身体を守るといわれているビタミンEが、オリーブオイルの約2.5倍も含まれている。すなわち「老化防止&お肌にもいいかも」ということ。
悪評高いトランス脂肪酸(悪玉コレステロールを増やして善玉コレステロールを減らすといわれる)はまったく含まれていない。そのかわり、動脈硬化を抑えて心臓病や脳卒中を予防するといわれるオレイン酸を70%含んでいる。コレステロールの吸収を防ぐ植物ステロール(脂質の一緒)も豊富なのであります。
加熱調理もよし
アボカドオイルは加熱にも強い。鮮やかな色合いはくすむことなく保たれ、それで調理されたものは食べたあとで胸やけしない。なぜなら、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれているからだ。油は加熱によっても酸化(劣化)が進むが、それがビタミンEによって抑制されるのであります。
酸化していない油は内臓にもいいから、胸やけもしない……と、こういう理屈になる。ビタミンEの何と偉大なことか!酸化しにくいということは、家で保存しているときも劣化しにくいということになる。このオリバードのエキストラバージン・アボカドオイルは賞味期間が5年もあるのだ。
オリーブオイルと使い分けよう
薄切りバゲットにホールトマトをたっぷり塗り、オリーブなど好きな具を散らしてからアボカドオイルを垂らしてトーストする。これはクイックなのにトマトの栄養がたっぷり摂れる缶たんレシピだ。
アボカドオイルは辛みがないため、トマトの柔らかい酸味と甘みをダイレクトに味わえる。少量のオイルを舌の上に乗せ、舌を丸めて口から息を吸い込むと、辛みがないのがよく判る。オリーブオイルでそれをやると、ピリッとした刺激がくるのだ。
オリーブオイルはその鮮烈な辛みと香りを食材に加えるのに対して、アボカドオイルは素材の香りと味を引き出すという違いがある。
鯛やまぐろの刺身などにアボカドオイルをすっとひと塗りし、醤油につけて食べると、魚の酸味と甘みがきわだって実にウマいんですぞ。
※掲載情報は 2015/09/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』(タツミムック)、『缶づめ寿司』(ビーナイス)、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社プラスアルファ新書)、『安い!早い!だけどとてつもなく旨い! 缶たん料理100』(講談社)など。小曽根マネージメントプロ所属。
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