金沢屈指の老舗「坂尾甘露堂」の最中「加賀さま」

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金沢屈指の老舗「坂尾甘露堂」の最中「加賀さま」

手のひら大の最中は前田家家紋入り。3種のあんが楽しめます

金沢屈指の老舗「坂尾甘露堂」の最中「加賀さま」

加賀百万石とうたわれた北陸の雄、前田藩の城下町である金沢は、江戸の頃から茶の湯の盛んな土地柄。多くの洗練された茶菓が生み出され、今に伝わります。数々の和菓子の老舗が立ち並ぶなか、とりわけ長い歴史を誇るのが、藩祖である前田利家を祀る尾山神社のほど近く、南町大通に店を構える「坂尾甘露堂」です。初代は元加賀藩士。訳あって町人となり、中国に渡ってくるみを研究し、帰国後の文化元年(1804年)、胡桃漬を家伝の菓子として菓子商を始めたとのこと。以来200年以上にわたり、伝統の技と味を守り伝えています。この店で忘れてならないのは、四代目当主の時代に誕生したという最中の「加賀さま」です。

 

誰もがまず目を見張るのが、直径が約13cmというほかにはないその大きさ。皮にはいかにも金沢の菓子らしく、前田家家紋である剣梅鉢を模した五弁の花びらが型押しされています。中には粒、こし、抹茶と3種のあんが詰められ、どのあんが顔を表すのかは割ったときのお楽しみ。わが家の4人の子どもたちも、小さい頃、私が五つに切り分けるのをワクワクしながら見守り、だれがどのあんにするか、ときにはじゃんけんで決めていたのを懐かしく思い出します。

金沢屈指の老舗「坂尾甘露堂」の最中「加賀さま」

もち米を材料に香ばしくパリッと焼き上げた皮と、それぞれの素材が生きた上品な甘さのあんとの調和は素晴らしく、私も、子どもたちが選んだ後に残ったひと切れを夫と分け合い、ゆっくりと味わったものです。規格外の大きさでありながら品があり、加賀百万石の歴史を思わせるどっしりと風格のある姿。化粧箱のほか、木箱入りのもののあり、どなたにも自信を持って差し上げることのできる銘菓です。皮もあんも同じもので作った「小型の加賀さま」はそれぞれに1種類のあんが入っていて、こちらは個分けに便利。お遣い物にする際、相手方の事情に合わせて選べるところも気に入っています。

金沢屈指の老舗「坂尾甘露堂」の最中「加賀さま」
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※掲載情報は 2015/08/28 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岸朝子

食生活ジャーナリスト

岸朝子

大正12年、関東大震災の年に東京で生まれ、女子栄養学園(現:女子栄養大学)を卒業後、結婚を経て主婦の友社に入社して料理記者歴をスタート。その後、女子栄養大学出版部に移って『栄養と料理』の編集長を10年間務める。昭和54年、編集プロダクション(株)エディターズを設立し、料理・栄養に関する雑誌や書籍を多数企画、編集する。一方では、東京国税局より東京地方酒類審議会委員、国土庁より食アメニティコンテスト審議員などを委託される。
平成5年、フジTV系『料理の鉄人』に審査員として出演し、的確な批評と「おいしゅうございます」の言葉が評判になる。
また、(財)日本食文化財団より、わが国の食文化進展に寄与したとして食生活文化金賞、沖縄県大宜味村より、日本の食文化の進展に貢献したとして文化功労賞、オーストリア政府より、オーストリアワインに関係した行動を認められてバッカス賞、フランス政府より、フランスの食文化普及に努めた功績を認められて農事功労賞シュバリエをそれぞれ受賞。
著書は『東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)、『おいしいお取り寄せ』(文化出版局)他多数。

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