食べ出したらやめられない、甘く香ばしい「落花生」

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守り継がれてきた製法で、「落花生」のおいしさを再発見!

食べ出したらやめられない、甘く香ばしい「落花生」

東京大学本郷キャンパスの近く、本郷通りと白山通りを結ぶ通り沿いに建つ「石井いり豆店」は、昔から変わらずここにあるひなびた風情のお店。じつはこの辺りは我が家の庭とも言える場所で、私もかつては、子どもたちのおやつを買いにたびたびこの店を訪れたものです。浅草の豆屋で修業したという初代がこの地に店を構えたのは、明治20年(1887年)とのこと。木造の今のお店は昭和11年(1936年)の建造と言いますから、80年近くの歴史があり、昔の「お菓子屋さん」の雰囲気をたっぷりと残しています。店内はほとんど建てた当初のままだそうで、懐かしく落ち着いた雰囲気。ひと昔、ふた昔前にタイムスリップしたような気持ちになります。店内に並ぶ、木とガラスでできた商品ケースや、「地球びん」と呼ばれる丸いガラスびんも現役で活躍。私にはどちらも懐かしいものですが、今の若い人にはむしろ新鮮でおしゃれに思えるかもしれませんね。

食べ出したらやめられない、甘く香ばしい「落花生」

現在店を営んでいるのは、四代目ご夫婦。店頭で豆を煎るのはご主人で、「振り網」という道具を使い、落花生で20~30分、大豆なら1時間ほどをかけて煎り上げるとのことです。所狭しと並んだ煎り豆は、袋入りもありますが、どれも量り売りもしてくれるというのもうれしいところです。私のおすすめは「落花生」。千葉県産の丸々とした粒よりの落花生に塩をまぶして香ばしく煎った味付落花生は、甘くコクがあり、落花生のおいしさをあらためて教えてくれます。ほかにも、バターピーナッツ、しょうゆ味のおのろけ豆、しそ風味の紅梅豆、砂糖をまぶした落花糖など、落花生だけで何種類もそろいます。また、私のもうひとつのお気に入りは、皮を外したそら豆に衣をつけて揚げ、カレー粉をまぶしたカレー豆です。サクサクの食感とピリッときいたカレーの風味はビールのおつまみにぴったり。夏におすすめです。

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落花生

石井いり豆店 住所:東京都文京区西片1-2-7

※掲載情報は 2015/06/25 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岸朝子

食生活ジャーナリスト

岸朝子

大正12年、関東大震災の年に東京で生まれ、女子栄養学園(現:女子栄養大学)を卒業後、結婚を経て主婦の友社に入社して料理記者歴をスタート。その後、女子栄養大学出版部に移って『栄養と料理』の編集長を10年間務める。昭和54年、編集プロダクション(株)エディターズを設立し、料理・栄養に関する雑誌や書籍を多数企画、編集する。一方では、東京国税局より東京地方酒類審議会委員、国土庁より食アメニティコンテスト審議員などを委託される。
平成5年、フジTV系『料理の鉄人』に審査員として出演し、的確な批評と「おいしゅうございます」の言葉が評判になる。
また、(財)日本食文化財団より、わが国の食文化進展に寄与したとして食生活文化金賞、沖縄県大宜味村より、日本の食文化の進展に貢献したとして文化功労賞、オーストリア政府より、オーストリアワインに関係した行動を認められてバッカス賞、フランス政府より、フランスの食文化普及に努めた功績を認められて農事功労賞シュバリエをそれぞれ受賞。
著書は『東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)、『おいしいお取り寄せ』(文化出版局)他多数。

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