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記事詳細
これを食べずしては夏を越せない。甘みと酸味が絶妙の夏柑糖
老松さんの夏柑糖を初めて食した時の感動は、今も鮮明に覚えています。夏の暑い盛りに、良く冷えた夏柑糖がプルンと喉を通った時の美味しさは忘れられません。甘さと酸味のバランスが抜群で、夏の疲れた身体が癒された思い出深い逸品! この究極の美味しさは、甘夏ではなく、昔からの酸分が多い夏みかんを原材料とした果汁中のクエン酸含有量に起因しているそうです。
その夏みかんは、毎年4月になると萩より届けられ、夏柑糖に仕上げる季節が始まります。
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皮を傷つけないように切り口から竹べラを介添えにして、中の小袋を一つ一つ丁寧に指でとり出されます。その小袋に付いている苦味の強いシロジョウを取り除いてから、やさしく果汁を搾るという究極の手造りで、老松さん家傳の夏柑糖が仕上ります。
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お話によると、昭和45年以降グレープフルーツの自由化により、年々畑が減少し原産地の萩と和歌山の一部に残るのみとなったようです。その貴重な産地の皆様により、究極の美味しさに毎年あやかれて、夏柑糖をいただけています。
その年の夏みかんが無くなり次第、終了となるお品です。一度は是非ご賞味あれ! の逸品です。
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夏柑糖を切り分けてお皿でいただくのも勿論良いですし、シャンパングラスのクープ型を利用すると、高さもあり食べやすくてお勧めです。
※掲載情報は 2015/05/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
食空間プロデューサー
戸口明美
大学卒業後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーに学び、住宅・ホテル等インテリアの仕事に携わる。1999年にフラワー・カラー・インテリア・テーブルコーディネート、歳時記や季節のしつらいまで暮らしを彩る要素を総合的に学べる教室を芦屋に開校。
現在、東京教室ほか百貨店、インテリア関係のイベントやセミナーを展開し、和と洋の美しい文化を融合した暮らしをより豊かに愉しむライフスタイルを提案している。
一方では、ブランドショップのデザイン監修や桂由美ブライダルファッションショーの会場演出等を手掛け、色使いやスタイリッシュなコーディネートに定評を得ている。近年では、NYにて香道のセミナーとパーティーを開催し海外イベントやオリジナルウエディングのプロデュースにも力を入れている。2013年11月「LARIQUE」シンガポール新作発表のデコレーションと日本のおもてなしによるパーティ演出が高く評価される。