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上質といわれるキプロス産のキャロブ・ハニーを活用
低カロリーで、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含むアルカリ性の健康食品であり、チョコレートやココアに似たほろ苦い味わいや色、自然な甘さから、マクロビオティックを実践している人などにはお菓子の材料としてもポピュラーな「キャロブ」。日本語では”イナゴ豆”といい、もともとは地中海沿岸が原産で、聖書にも登場する、古代から受け継がれた食品です。イナゴ豆のさやを乾燥させてローストして粉末にしたり、煮つめてシロップにした商品が出回っています。
キャロブは現在、地中海沿岸だけでなく、アメリカのカリフォルニアやオーストラリアなどでも栽培されており、日本にもイタリアやトルコ、カリフォルニア産などのキャロブ・パウダーが輸入されているのですが、昔からその質の高さで「黒い金」と呼ばれて珍重されてきたのは、地中海に浮かぶキプロス島のキャロブ。
試しに、手元にあったイタリア産と、キプロス産のキャロブ・パウダーと食べ比べてみたところ、キプロス産の方が明らかにコク味が深く、香りもよいようでした。
そこで、元キプロス政府観光局員で現在はキプロス・インフォメーションサービスを運営されている志村暁子さんにもうかがってみました。「キプロスのキャロブの木は肥沃な土壌で育つため、他の地域のキャロブよりミネラル分が豊富で、甘みも多いといわれています」とのことで、なるほど。現在パウダーのほか、シロップ状のキプロス産キャロブ・ハニーが日本でも手に入ります。
特に、キャロブ・ハニーは日本ではあまり見かけませんが、シロップの方がパウダーよりもいろいろな用途に使い回せて便利。
そこで、キプロス・スタイルのキャロブ・ケーキと、キャロブ・ドレッシングを使った地中海サラダのレシピをご紹介しましょう。
前者は仕上げの粉糖以外に砂糖類を一切使わない、キャロブの自然な甘さだけのおいしいケーキ。お手軽に見栄えよく作れますし、ノンカフェインでお子さんにも安心。見た目や味はチョコレートケーキなのに、実はチョコレートは使っていないと話のタネにもできて、パーティーやお客様にお出しするのにもおすすめの一品です。
キャロブ&豆乳ドリンク(右)、キャロブ&タヒニ・ペースト(左)
キプロス・スタイルのキャロブ・ケーキ(3~4人分)
【材料】
キャロブ・ハニー 1/4カップ、
(またはキャロブ・パウダー(ダマにならないようにふるっておく) 1/2カップ)
※キャロブ・ハニーの方がしっとりしたケーキが作れます。
薄力粉(ダマにならないようにふるっておく) 1カップ
ショートニング(トランス脂肪酸不使用の植物性のものが望ましい) 40g
たまご(割りほぐしておく) 1個
ベーキングソーダ 小さじ1/2
シナモン粉 小さじ1/2
牛乳(または豆乳) 80cc
くるみ(細かく砕いたもの) 25g
油(焼き型に塗るのに使用)適量 粉糖(飾り用)適量 ハーブ(ローズマリーやミント。飾り用)少々
キャロブ・ハニー 適量(トッピング。お好みで)
焼き型(サイズ700ml)、茶こし
【作り方】
1.ボウルにショートニングとキャロブ・ハニー、割りほぐしたたまごを入れてよく混ぜる。
2.1に薄力粉、ベーキングソーダ、シナモン粉、牛乳を加えてさらに混ぜる。
3.2にくるみを加えてさっくり混ぜる。
4.焼き型の内側に油を塗り、3を流し込んで180度のオーブンで30分程焼く。
5.4が焼けたら型から取り出し、茶こしで上から粉砂糖をふる。
6.5をお皿に移し、ハーブを飾って切り分け、お好みでキャロブ・ハニーをかけてできあがり。
※キャロブ・パウダーを使う場合は、2の過程で粉類と一緒に混ぜてください。
※ショートニングはさっくりした食感を出すために使っていますが、無塩バターでも代用可能です。
※小麦アレルギーの方、またグルテンフリーを実践されている方は、薄力粉の代わりに米粉を使って作ってみてください。
キャロブ・ドレッシングの地中海サラダ(2人分)
【材料】
A
キャロブ・ハニー 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
りんご酢 大さじ1
粒マスタード 小さじ1/2
にんにく(すりおろす)1片
B
ゴルゴンゾーラチーズ 少々 細かくちぎる(パルミジャーノ・レッジャーノでもよい)
ざくろの実 少々
くるみ 少々 小さく砕く ルッコラ(ロケットサラダ)やベビーリーフ
【作り方】
1.Aをドレッシングボトルまたはボウルに入れてよく混ぜ、ドレッシングを作る。
2.お皿にルッコラ、ベビーリーフを乗せ、ゴルゴンゾーラチーズ、ざくろの実、くるみをトッピングし、1のドレッシングをかけてできあがり。
その他、キャロブ・ハニーは、朝食時に牛乳(豆乳)に混ぜて飲んだり、タヒニ(白ごまペースト)と混ぜてペーストにしてパンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜてもおいしくいただけます。いろいろと活用してヘルシーな食生活にお役立て下さい。
※掲載情報は 2014/10/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
各国・郷土料理研究家
青木ゆり子
雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。
地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。
「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。