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永平寺町に広がる自然が生み出すテロワールとは?
テロワール(Terroir)という言葉を知っていますか?
ワインの世界ではよく使われるフランス語で、その地域を取り巻く環境や気候などのこと。土地の個性がその味わいを作るという考えがあります。
昨年2022年、永平寺町に約3万坪の敷地からなる酒蔵複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」がオープンし。ここに豊かな福井テロワールのひとつを見つけました。
ザ・福井テロワールを体現した施設ESHIKOTO
ESHIKOTOは、九頭龍川が目の前に広がる場所で、施設内に福井県産食材を使ったレストラン「acoya」やお酒と伝統工芸品の販売を行う「石田屋 ESHIKOTO店」、イベントスペースを備えた複合施設です。運営しているのは、1804(文化元)年に創業した老舗の黒龍酒造の母体である石田屋二左衛門。「えしこと」の「えし」は古い言葉で「良い」という意味で、福井県の良い文化を伝える拠点として名付けられました。
レストランやショップが入る「酒樂棟(しゅらくとう)」と、貯蔵セラーのあるイベントスペース「臥龍棟(がりゅうとう)」(普段は非公開)の2つのスペースに分かれています。永平寺町の四季折々の景色に馴染む建築デザインとなっており、越前和紙を使った壁は重厚感がありつつ和紙独特の柔らかな手触り、他にも越前箪笥、笏谷石(しゃくだにいし)などなど、建物からも福井テロワールが溢れ出ていました。窓の向こうに広がる自然が借景となり、不思議な浮遊感が生まれる空間です。
臥龍棟で15ヵ月以上瓶内二次発酵されるESHIKOTO AWA
今回特別に「臥龍棟」の中をご案内いただきました。
こちらで販売されているオリジナルブランドのお酒ESHIKOTOシリーズは福井県産の酒米が使用されていま。ESHIKOTO AWA はシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵をさせたスパークリング清酒です。瓶内二次発酵に15ヵ月以上必要なため、こちらの臥龍棟に貯蔵セラーがあります。
神社仏閣、教会などのような神々しい空気に包まれた空間の中で、樹齢200年を超える美山杉のカウンターテーブルの佇まいも凛としています。ふと気づくと、臥龍棟の名にふさわしく、壁から龍がこちらを見守っていました。また、こちらもまた福井テロワールを感じさせてくれます。
いくつかお酒を試飲させていただきましたが、特に気に入ったESHIKOTO AWA Limitedなどを購入。爽やかで米のふくよかさや日本酒らしさのあるスパークリング。ハレの日に飲みたいですね。せっかくなので春のお祝いの席で開栓するつもりです。
残念ながらこのお酒は通販などでは購入できません。是非ESHIKOTOを訪れて、自然や空間など含め、福井テロワールを五感で感じてみてください。
今回ご案内くださった、石田屋二左衛門株式会社の広報担当の水野真悠さんは、今後、オーベルジュ(宿泊施設付レストラン)も建設していく予定であることを明かしてくれました。将来的には、アメリカ・カリフォルニアにあるワインの銘醸地であるナパバレーのイメージを目指したいとのこと。お酒を飲むとクルマでの移動が難しいですから、福井県の食の恵みとESHIKOTOを堪能しながらゆったりとこの景色を楽しめるのが待ち遠しいですね。
※掲載情報は 2023/03/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ご当地グルメ研究家/リサーチャー/日本外食リサーチ&PR協会
椿
日本全国の美味しいモノを世の中に残すために日々奮闘中。「その地域で長く愛されているローカルフード」を探し、そこに如何に根付いているのかを研究。
テレビ番組、WEB、雑誌、イベントで、地域の食や最新グルメ情報のリサーチ・取材・寄稿・レシピ提供・情報発信などを行っている。
2013年より気仙沼の海の中に純米酒を沈めて熟成させる「海中貯蔵プロジェクト」を行う。