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糸をひかないのに、甘納豆とは？
「甘納豆って、面白いネーミングだなあ」と、子供の頃は思っていました。
糸を引かないのに「納豆」。発酵してないのに「納豆」。どうしてなのかな、と思っていました。のちに調べてわかったのですが、現代の納豆は固有の発酵食品を言いますが、そもそも納豆は、豆加工品の総称だったようです。甘納豆以外にも、浜納豆、大徳寺納豆、塩辛納豆、寺納豆など、様々な納豆があり、甘い納豆が甘納豆と呼ばれるようになったとか。なるほど、ネーミングの成り立ちの順番が逆だったんですね。
▲鈴屋HPより
胃もたれしないシンプルな味が癒される
甘納豆の老舗専門店として有名な銀座鈴屋さん。創業1951年のゆるぎない味は、世代を超えて愛されています。チョコレートを毎日食べる若い人は大勢いますが、甘納豆を毎日食べる人は少ないかもしれません。でも、「豆と砂糖」というシンプルな甘い味に疲れた時はとても癒されます。ほっこりと疲れを取ってくれる、優しさがあるんです。そして、たしかに甘いのだけれど、胃もたれしないのが和菓子の素晴らしいところ。
美学を感じる老舗の風格
「華やぎ」は6角形の亀甲形の箱で、見た目から美学を感じて素敵です。栗、大納言、うぐいす豆、大福豆、虎豆、蓮の実の5種類が品よく入っていて、自然な色目が美しいなあ、と思います。表面の砂糖だけではなく、芯までしっかり甘さが入っていて、長年受け継がれた手間暇の歴史を感じます。一つ一つ、吟味された素材を使っているのがわかる味です。
ポクポクと食感も食べ応えがある栗は王様のような貫禄。大粒で三角の升の中に収まりきらないくらい。蓮の実も珍しいですよね。少しだけ苦味があって楽しめます。大納言小豆も粒の食感がしっかりしていて、上質であることが良くわかる。
ヨーグルトにかけても美味
滅多に食べないという方も、たまに召し上がってみてはいかがでしょうか。甘さはあるのですが、その分少量でも満足度が高いです。食物繊維も豊富で便秘になりにくいスイーツといえるかも。個人的には甘さゼロのヨーグルトのトッピングにもお勧めです。ヨーグルトの酸味と相性が良いんです。
※掲載情報は 2022/04/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
（株）トータルフード代表/トータルフードプロデューサー
小倉朋子
（株）トータルフード代表取締役／亜細亜大学講師／「食輝塾」主宰／日本箸文化協会代表／農水省関東農政局食育推進ネットワーク幹事／ジャパンビアソムリエ協会マナー顧問／（社）エチケット・マナー協会理事
来世も再来世も食の仕事を！生粋の食マニア。トレンド、食文化、お取り寄せ、マナー、ダイエット、食育、伝統食…専門は広く、多角的に食の提案しています。どんなメニューも可能、店舗、食品関連のメニュー開発から一連のフードプロデュース多数。世界の食事マナーと食を総合的に学び生き方を整える「食輝塾」主宰。20年近く一度も同じ内容せず毎月開催を更新中！
●メディア
NHKラジオ番組3年以上レギュラー講師、日テレ「世界一受けたい授業」、テレビ朝日「芸能人格付けチェック」、はなまるマーケットなど出演、新聞、雑誌連載
●著書
『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』（文響社）、『世界一美しい食べ方のマナー』（高橋書店）、『愛される「ひとり店」の作り方』（草思社）、『「いただきます」を忘れた日本人』（アスキー新書）、『グルメ以前の食車マナーの常識』（講談社）ほか、ベストセラー多数
