大阪の和菓子の歴史をも感じる、創業三百数十年『小島屋』の「けし餅」

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まさに大阪は天下の台所という言葉がぴったり

大阪の和菓子の歴史をも感じる、創業三百数十年『小島屋』の「けし餅」

もちろん仕事ですが、毎週のように全国を回っていると、その土地ごとにそれぞれ素晴らしさを感じます。その中で僕的にトップクラスの楽しさなのが大阪。まさに街全体がテーマパークみたい。あちらこちらから関西弁が聞こえてきます。「そんなん、当たり前や」と彼らは言いますが、東京モンの僕にはそれが凄く新鮮で楽しいのです。もちろん江戸時代から「天下の台所」と呼ばれる大阪ですから、歴史の古い手土産も充実しています。そんな中、まさに手土産として頂いたのが和生菓子の「けし餅」。製造しているのは堺市の『小島屋』。江戸時代の延宝年間に創業というからもう三百数十年の歴史を誇ります。

こしあんの甘さ、もち皮のしっとり感、けしの実の香ばしさ

大阪の和菓子の歴史をも感じる、創業三百数十年『小島屋』の「けし餅」

この「けし餅」は昭和天皇陛下も天覧、お買い上げなさった由緒ある一品。北海道産小豆を用いたこしあんを、国産のもち粉使用のもち皮で包み、周りにけしの実をまぶしています。こしあんの甘味、もち皮のしっとりとした食感とともに、けしの実の香ばしさと粒々の食感が一体となる、まさに上質な和生菓子。でもなぜ堺に?と思ったら、安土桃山時代に千利休が移り住んだことから堺で茶の世界が広がり、それとともに和菓子文化も発達したそう。しかも堺は当時、けしの実の一大産地だったので、けし餅もその頃に誕生したのだとか。現在はけしの実はトルコ産ですが、それでも香ばしき風味などは変わりません。生菓子なので、賞味期限は5日程度。冷蔵庫に入れると皮が硬くなってしまうので、常温を推奨しています。3~4日程度が一番美味しい食感なのだそう。もし硬くなってしまったら、オーブントースターで少し焼くと、けしの実の香ばしさも出て、もち皮もしっとりするので美味しく頂けるそうです。

※掲載情報は 2018/12/26 時点のものとなります。

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キュレーター情報

はんつ遠藤

フードジャーナリスト

はんつ遠藤

東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。

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