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津南醸造株式会社
霧の塔 純米酒【720ml】
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皆さんは可杯(べくはい)をご存知でしょうか。
高知に伝わる座興杯で、「天狗」「おかめ」「ひょっとこ」の形をした杯を用意し、独楽(こま)を回し、軸が向いた方向にいる人が独楽の図柄の杯を持ち飲み干すというものです。「天狗」は鼻が長く、「ひょっとこ」は口に穴が開いているので、飲み干すまで杯を置くことができません。
この可杯から着想を得て「酔独楽(よいごま)」という盃を作りました。置くことができない独楽のように回る盃です。
そして今年の7月から9月に新潟の越後妻有で開催された「大地の芸術祭2018」に、この「酔独楽」を使ったスタンディングバーを作品として発表しました。
様々な展示が行われる中で、僕が代表を務めるクリエイティブユニットのKIGIが参加することになったのは「方丈記私記」。方丈記は鴨長明による日本三大随筆に数えられていますが、その鴨長明に倣い、旧来の価値観が崩れゆく現代における新たな可能性を、2.73m四方の小さな空間から考えるというものです。
酔う=独楽=宇宙を展開する方丈。来場者にサイコロを回してもらい、出た目によって酒の種類と盃の大きさを決めて「酔独楽」の盃でお酒を飲んでもらおうというアイデアです。
この作品でもうひとつ重要になるのが日本酒です。
大地の芸術祭の開催地である新潟は、日本有数の米所なのでさまざまな酒造があります。その中でも僕がこれだ!と惚れ込んだのが、津南醸造がつくる清酒「霧の塔」です。2000m級の山々に降り積もった山々の、名水百選に選ばれた雪解け水を使用しています。淡麗でふくらみのある旨味を感じることができ、後味もすっきりしていて、いい意味で喉にひっかかりを感じる日本酒です。その津南醸造さんとコラボレーションして「霧の塔」3種と4種目に「妻有郷」を選び、酔独楽デザインボトルを作りました。もちろん作品内ではこの酔独楽の日本酒を提供します。
そして出来上がったのが「スタンディング酒BAR・酔独楽」。コンテンツからデザイン、サービス、運営方法や宣伝まで全て作り上げた作品です。
この作品では、サイコロを2つ振って盃の大きさと酒の種類を決めます。大当たりは特大の盃に霧の塔の純米大吟醸をなみなみとついでもらえます。大地の芸術祭は9月17日で会期終了してしまいましたが、10月に東京で酔独楽が体験できるイベントを開催します。ひとつはストラスブルゴ銀座店で「スタンディング酒BAR・酔独楽」の展示とイベント、もうひとつは代官山で行われる猿楽祭での2 DAYS CAFE BAR「〈飲〉と〈呑〉‐KIKOFと酔独楽‐」です。是非機会があれば会場に足をお運びください。
「キギの三点(展)」
1: 「スタンディング酒BAR・酔独楽(よいごま)」「白と緑のKIKOF」@ストラスブルゴ銀座店
日時 10月4日(木)〜14日(日)11:00〜21:00
会場 東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座
ウェルカムパーティー 10月13日(土)
11:00〜21:00 酔独楽パフォーマンス
15:00〜18:00 ウェルカムドリンク
2: EXHIBITION 「花蜜壺」@ OUR FAVOURITE SHOP 内 OFS Gallery
日時 10月6日(土)〜11月1日(木)12:00〜19:00 ※祝日除く月曜・火曜定休
会場 東京都港区白金 5-12-21
3: 2 DAYS CAFÉ BAR「〈飲〉と〈呑〉-KIKOFと酔独楽-」@ 猿楽祭
日時 10月7日(日)〜8日(月祝)11:00〜18:00
会場 猿楽祭代官山フェスティバル内 アネックスA棟2階
※掲載情報は 2018/10/04 時点のものとなります。
キギ・KIGI代表 アートディレクター
植原亮輔
クリエイティブディレクター・アートディレクター
1972年北海道生。2012年に株式会社キギを設立。企業やブランド、ショップなどのアートディレクション、「D-BROS」等の商品デザインを手掛ける。
2014年夏、琵琶湖の周辺で様々な製造業を営む職人たちとともに、テーブルウェアを中心としたプロダクトブランド「KIKOF」を立ち上げる。
クライアントワーク以外でのより創作的な作品制作や、物事に対する自らの視点や考え方をデザインの軸で作品化し展覧会を開催するなど、あらゆるジャンルを横断しながら、グラフィックの新しいあり方を探し生み出し続けている。
主な個展に「キギ展」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2012年)、「続・キギ展」(ヒルサイドフォーラム、2013年)、「ワン-オフ デザイン」展(PASS THE BATON GARRELY)など。
TDC賞、JAGDA賞、東京ADC会員賞、NY ADC金賞、ONE SHOW DESIGN金賞、第11回亀倉雄策賞など受賞多数。