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売れすぎて在庫がない
今、売れに売れているさば缶。都内のある高級食品店では、前年同月比で200％も売れているという。
缶詰歴48年の筆者も、まさかこんな時代が来るとは思わなかった。
それだけ売れればメーカーの在庫もなくなるわけで、スーパーでも棚がぽっかりと空いております。
従来のさば缶は、基本的には秋～冬に獲れる脂の乗ったさばを使う。しかし春～夏にもさばは獲れる。脂が乗らない分、すっきりとしたうまみがあり、九州では刺身で味わう食文化がある。
そこで、宮城県にある「木の屋石巻水産」は考えた。温かい時期に獲れるさばでも、工夫次第で美味しい缶詰が造れるのではないか、と。
それが8月1日に発売された「サラダサバ」なのであります。
缶汁がいい
早速、開缶！ 身の引き締まったさばがきっちりと詰まっている。一見すると水煮のように見えるが、実はこの缶汁は綿実油。油漬けにすることによって、身をしっとりジューシーに仕上げているのだ。
さらに、綿実油には野菜のエキスが加えられている。これが絶妙で、うっとりするほどウマい。全体を引き締める塩分は少なめで、100g中0.65gである。
あっさり味が料理に合う
かくのごとし。さばそうめんにしてみた。
茹でて、冷水できっちり洗ったそうめんを盛りつけ、上からそうめんつゆをかける。そこに例のうっとり缶汁を加えるのが缶所。そうめんつゆは基本的にかつおぶしベースなので、別種のさばのうまみを加えるわけだ。これだけでお安い市販のそうめんつゆもパワーアップ！あとはさばの身と、好きな薬味を乗せれば缶成。
さばの身をほぐし、そうめんにまぶしながら食べてみると……。さばは柔らかく、すっきりとした味わいで、脂もそれなりに乗っている。何といっても、香りがいい。水揚げされたばかりの生のさばしか使わない〜逆にいえば冷凍原料は一切使わないから、雑味や臭みがない。こうして冷たい料理に使っても、生臭さはまったく出てこないのであります。
お値段は固形量110グラム、内容総量170gで370円（税込み）。木の屋さんの直販サイトで限定販売中であります。
ごちそうサバ！
※掲載情報は 2018/08/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』（アスキー新書）、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』（タツミムック）、『缶づめ寿司』（ビーナイス）、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』（講談社プラスアルファ新書）『缶詰博士が選ぶ！「レジェンド缶詰」究極の逸品36』（講談社プラスアルファ新書）、『安い！早い！だけどとてつもなく旨い！ 缶たん料理100』（講談社）など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com
