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江戸時代の瓦版(現観光ガイド)にも、その名が掲載される老舗
名古屋名物の食べ物といえば、数えきれないほどたくさんある。その中でも一番が多く、皆さんが迷ってしまう和菓子の1つが「ういろ」だろう。今回は約360年の歴史を誇る餅文さんの商品の中でも、夏休みの帰省などの手土産におすすめなものをご紹介したい。その理由は、軽くて持ち運びやすく、さらに食べやすさに工夫しているため、多めにお土産を購入することができる。一般的に「ういろ」と言うと、羊羹のように大きな一本で売っているイメージが強い。今回ご紹介する逸品は、名古屋の代名詞と言っても過言ではないパッケージに、約360年の老舗の味を守った「金鯱ういろ」だ。
名古屋と言えば、名古屋城の金の鯱(しゃちほこ)は観光地としても有名。この名古屋城には、滅多に一般公開されない金の茶釜が今でも保管されている。茶道を習っていた頃、祖母と一緒にその金の茶釜でのお茶会に参加したことがある。名古屋には、“金”と何か歴史的な背景があるのだろうか。そんな“金”の豪華絢爛な名古屋のイメージを、次の写真のようにパッケージに使いつつも、味は約360年続く老舗の伝統を守り続けた「ういろ」。
愛知県人である私は、会社で先輩たちに「美味しいういろ」を教えてもらい、買いに行ったものだ。支社長秘書などの仕事をしていたこともあり、仕事柄そのような情報交換をしていた。まずは、自宅用に実際に購入し食べてみて、誰に出しても「美味しい!」と喜んでいただけるものを厳選しなくてはならない。そのため、「ういろ」には先輩たちのおかげもあり、とても詳しくなった。
「金鯱ういろ」は、次の写真のように、きれいに袋から「ういろ」を出すことができるところが嬉しいポイント。しろあん、こしあんの2種類が各2個ずつ入っているため、まずはしろあんから。袋の真ん中を両側に引くと、簡単に袋を開けることができる。
透明感のあるしろあんの「ういろ」が、金をイメージした包装紙から柔らかく、艶々とした姿を見せた。
今回は夏らしいガラスの器に2種類を並べて、味比べを。しろあんは、ういろ感が強く「これぞ、ういろ」。こしあんは、ほんのりと小豆の味があるものの、やはりういろ感がしっかりと感じられ、老舗のこだわりの味を感じずにはいられない。どちらも甘すぎないため、一気に2個とも食べてしまった。どちらも口の中で溶けるような柔らかさ。この柔らかさこそが、私が先輩たちに教えてもらった「美味しいういろ」のポイントなのだ。
餅文さんは、名古屋駅のお土産屋さんや有名百貨店の催事にしか出店をしないとのこと。販売場所を限定している。そのため、是非、名古屋駅コンコースにいくつかあるお土産屋さんにて購入することをおすすめする。
ういろは「外良」、「外郎」と書いて「ういろ」と読む。「ういろ」の歴史は、また次回に詳しくお伝えしたい。
名古屋土産「ういろ」には、知られていない歴史がある。
何しろ、その歴史はとても古いため、本物を知る人は地元の人でも、知る人はほどんどいない。
だからこそ、是非、本当の「元祖」を知ってほしい。
※掲載情報は 2018/08/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等