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かりんとうとあられ煎餅のハイブリッドな味わい
上野広小路駅の周辺は、最近では上野松坂屋南館の跡地にパルコヤが出来て、街の景観も少しずつ変わってきましたが、通りを一歩裏に入ると、昔から営んでいるお店も変わらずにあります。
上野広小路から中央通りを湯島方面に入ると、かりんとう屋の『ゆしま花月』があります。昭和22年創業の老舗で、当初は近所の子どもが訪れる駄菓子屋として始まりましたが、かりんとうが評判となりかりんとう屋となったそうです。今でも昔と変わらない味を守り続けています。
引き戸になっているガラス障子をガラガラと開けて中に入ると、店内の懐かしい雰囲気が古き良き時代、昭和の下町の景色を思い起こさせてくれます。訪れる度に、かりんとうをただ買う為に行くというより、昔の下町に戻ることが出来る楽しいひとときを味わいに行っているのだ、と感じます。
『ゆしま花月』は、かりんとうが看板商品ですが、僕のオススメはなんといっても独特の味わいの「さざれ」です。「さざれ」が誕生したのは、昭和51年。今から40年以上も前です。昭和天皇の在位50周年の年に作られたので、君が代の一節から名付けられたそうです。
「さざれ」は、国産のこめ粉を100%使用した一口サイズのあられに、かりんとうと同じ上白糖を煮詰めたべっこう飴を絡めています。食感はかりんとうよりも柔らかく、口に入れるとサクサクとします。
また、かりんとうほど表面がべっこう飴で覆われておらず、サッパリとした味なので、かりんとうがあまり得意でない方でも食べやすいと思います。
『ゆしま花月』といえば昔ながらの丸い筒状の缶も良いですが、単衣と呼ばれる着物のような包装も素晴らしく、ちょっとした手みやげとしても差し上げても喜ばれます。
最近では、銀座のGINZA SIXにも「ぎんざ鏡花水月」という姉妹店を出したそうですが、上野広小路にお越しの際は、下町情緒を感じる『ゆしま花月』にぜひ立ち寄ってみてください。
※掲載情報は 2018/06/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主
荒岡俊行
1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。
ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。
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