普通の大豆と全然違う!在来種の豆「間作大豆」の旨みとパワー

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~在来種とF1種~

 

野菜や豆の種は、「在来種(固定種)」と「F1種」に大別されます。

固定種とは、いわば「普通の野菜の種」。一番よくできた野菜を選んで種を採り、その種を蒔いて育てた中からまた一番よいものを選んで種を採っていくというもの。

農家は種を買わずに、毎年収穫し続けることができます。昭和30年代頃までの日本の農業は、ほとんどこのスタイルをとっていました。

一方、現在の「F1種」は人工的にいいとこ取りをした、一代限りの雑種です。いいとこ取りとは、形が揃っていて、そこそこキレイで、収穫もある程度一定に望める種です。F1種が力を発揮できるのは、一代限り。つまり農家は毎年種を買い続けなければ、農業が成り立っていきません。

なぜ在来種が減り、F1種になってしまったのか? それはやはり、農業も経済を優先としなければ成り立たないということ。自家採取種は、手間ひまがかかってしまうことが理由にあげられます。

私が愛して止まない在来種の豆は、北海道の『べにや長谷川商店』の豆たちです。

長谷川清美さんは、実家の『べにや長谷川商店』で長年地元の豆を扱い、その美味しさを味わってきました。

最近ではようやく、豆料理もシチューやサラダなどバリエーションが広がってきましたが、ひと晩漬けて戻すのや、煮るのに時間がかかるなど……既に調理済みの豆の方が人気商品のようです。しかし、乾物の豆を戻して煮たものは、レトルトや冷凍のもの、缶詰とは比べ物にならない美味しさがあります。

長谷川さんは在来種の普及と同時に、豆の料理の方法、使い方を提案していく活動を続けています。在来種の豆は、ネーミングのユニークなものが多いのも特徴のひとつ。

黒すだれ、晩生小豆(おくてあずき)、黒千石大豆など、どれもsounds-good!ですよね。

~間作大豆の美味しさ~

普通の大豆と全然違う!在来種の豆「間作大豆」の旨みとパワー

なかでも他の大豆と一線を画しているのが、今回おすすめする「間作大豆」です。

その昔、田んぼの畦(あぜ)の間についでに蒔いていたころから命名された間作大豆は、粒が大豆と比べると小さくまん丸。他の大豆と比べると味はとても濃厚で、豆ご飯はもちろん、天ぷらにしても存在感のある大豆です。

おすすめは、なんといっても間作大豆を使った「soyコロッケ」。ひと晩水につけたものを圧力鍋で10分。茹でた豆をつぶし、炒めた玉ねぎと人参をいれ、まるめて衣をつけたら、油で揚げて完成です。「え? これ何でできているの?」という程、大豆とは思えない深い味わいなのです。間作大豆がない時に、他の大豆で代用すると、「大豆のコロッケですね」とすぐバレてしまうほどの違いがあります。

普通の大豆と全然違う!在来種の豆「間作大豆」の旨みとパワー

在来種はその土地の風土にあうように、それぞれの作物たちが時間をかけて、生き残るために工夫をして種を残してきました。そのため、少々の気候変動や天災にも強いのです。

人口が増加している現在、世界の食料問題を考えるときには、必ず「種」の問題にぶちあたります。多くの人は、種の現状を知らないと感じています。

F1種が世界を制覇している今、種を売る企業が世界の食を牛耳っているといえませんか?

F1種も在来種も栄養は変わらないといわれています。

たしかに、ビタミンやミネラルは変わらないのかもしれません……。

でも、野菜や豆の持つ「生命力」に関しては、風土に育まれた在来種に勝るものはないと私は確信しています。

同じ野菜や豆ならば、腹の奥から美味しさとパワーがみなぎってくるような、そんな野菜や豆を食べたいと私は思っています。皆さんもそう思いませんか?

ならば! 私たちにできることは、在来種を作ってくれる農家を応援することですよ。

 

~豆は命の源~

 

「べにや長谷川商店の豆料理」(PARCO出版)のおわりの一節を紹介します。

 

「豆はハレの贅沢なご馳走でなく日常の地味な食べ物ゆえ、その存在を疎んじたり価値に気づかなかったりしますが、ギリギリの生活を送る人たちにとっては欠かせない滋養豊かな命の源であること、一粒の豆が実を結び、種となるまでどれほど多くの一の労力と思いがこめられているか…。」

 

世界を旅し、豆料理を研究し続ける長谷川さんの思いがここに込められているように思います。                                  

 

間作大豆 200g 594円(税込)

※掲載情報は 2018/03/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

タカコナカムラ

料理家/フードディレクター

タカコナカムラ

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。

通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。

一般社団法人ホールフード協会 代表理事

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